広島大学の研究チームによる、「タバコの煙成分が新型コロナウイルスの感染を阻害する」との研究論文が、英科学誌「Scientific Reports」に2021年8月17日付で掲載された。これで話題になったのが志村けんさん(享年70歳)。志村さんは1日3箱を吸うヘビースモーカーだったのに感染した?というのだ。

谷本圭司准教授など広島大学研究チームが発表

この論文は、広島大学の研究チームによるもので、谷本圭司准教授、坂口剛正教授、坊農秀雅特任教授、そして関西医科大学の廣田喜一学長特命教授、松尾禎之講師らによって提出された。研究のきっかけとなったのは、喫煙が新型コロナウイルス感染症の病態に悪影響を与えている、との疫学調査が多数ある一方で、新型コロナ感染者に喫煙者が少ない、喫煙者に新型コロナウイルス陽性者が少ない、との報告が英、米、仏などの研究グループから複数報告されている。そのため実態を探ったのだという。結果的に、たばこの煙抽出物(CSE)で実験したところ、新型コロナウイルスがヒトに感染する際に利用するタンパク質などが低下、「タバコの煙は感染を阻害する」という結論になった(詳しくは下記リンクの論文)。

タバコは3年以上前にやめていた

つまり、先にあった新型コロナ感染者に喫煙者が少ない、喫煙者に新型コロナウイルス陽性者が少ないと、いうことを実験で示したわけだ。喫煙者にとっては朗報だが、ネットで

「志村けんさんはヘビースモーカーだったわけだから信用できない」

という話題が噴出した。日本中に笑いを届けてくれたコメディアンの志村さんが、新型コロナウイルス肺炎で亡くなったのは20年3月29日。志村さんの死は新型コロナの恐ろしさを一気に日本中に広め、当時もタバコとの関係が取り沙汰された。志村さんとタバコの関係はどうだったのか。複数の報道とWikipediaによれば、1日3箱を吸っていた志村さんは16年8月19日に肺炎にかかり入院。それをきっかけに禁煙を続けていた。つまり、新型コロナに感染した時には喫煙者ではなかった。

 

(リンク)

論文「Inhibiting SARS-CoV-2 infection in vitro by suppressing its receptor, angiotensin-converting enzyme 2, via aryl-hydrocarbon receptor signal」英科学誌「Scientific Reports」

https://www.nature.com/articles/s41598-021-96109-w

 

東村山市公式HP(「志村けんの木」記念樹看板の設置)

https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/shisei/keikaku/shiseis

hikou50syunen/50syunenjigyoutoriku/50syuunen/shimurakennoki.html