ホリエモンこと堀江貴文さん(47)が、入店時のマスク着用で広島県尾道にある餃子店店主とトラブルになり、自身のFacebookで「コロナ脳」「狂っている」と店主を罵倒、店主もブログでホリエモンに「お前が狂ってるんだ」と応戦したためネットが騒然となった。

2020年9月27日現在もホリエモンは店主に対する「攻撃」を止めていない。かつては時代の寵児と言われ、現在も実業家とし活躍、またTwitterのフォロワーが350万人以上いる「大物」なのに、どうして地方の餃子店との些細なトラブルで、いつまでもグチグチグチグチ言っているのだろうか。

「ホリエモンは炎上ネタを作りに来たとしか思えない」

ホリエモンは9月21日にFacebookにこんなことを綴った。

尾道にある餃子店に3人で入ろうとしたところ、ホリエモン以外の一人がマスクを着けていなかったため店員から「ウチはマスクしてないと入店できないんです」、と言われた。すると店主が出てきて「ホリエモンか?」といきなり言われた。ホリエモンは、入店のマスク着用は分かったが、店内ではどんなマスクのルールがあるのか尋ねたところ、店主から「面倒くさいんで入店しないでくれ」とピシャリと言われた。

ホリエモンは「マジやばいコロナ脳。狂ってる」とし、

「そろそろこのマスク原理主義なんとかならんもんかね。社会がギスギスしてる」

と結んだ。これに怒ったのは餃子店店主だ。店にイタズラ電話が掛かってくるようになり、ネット上でも「ホリエモン信者」が店の悪口を書くようになった。非常に迷惑している、と9月23日のブログに綴った。そして怒りに任せての反撃を開始する。店のルールは入口に掲示している、とし、

「字も読めず日本語もわからないのはあんただよしかもルール守る気もなく声を荒げたからお客様に迷惑がかかり糠に釘レベルの無駄な説明するのも『面倒臭いんで帰ってくれって』当たり前じゃないか?」

「堀江さん?」とは聞いたけども「ホリエモン?」とは言ってない、嘘を混ぜ込んで書くな」

「うちには炎上ネタを作りに来たとしか思えないので世間の皆様にはそんな情け無い小物クレーマーの言葉に釣られず冷静になって欲しい」

などと書いて、防犯カメラに映ったホリエモンの写真をアップ。これ以上店に迷惑をかけるつもりなら警察にも行くし弁護士にも相談する、と謝罪を要求した。

「堀江さん?」と話しかけたのか「お前、堀江か!!」なのか

9月25日、ホリエモンは自身のYouTubeチャンネルで今回の騒動を語った。内容は21日にFacebookに書いていたものとほぼ同じだが、「ホリエモンか?」の部分が「お前、堀江か!!」に変わっていた。

また、店主に関してネット上で書かれているよろしくない噂を紹介、

「(店主は)科学リテラシーがない、こういう人を放置していると過度に必要ないことを恐れてしまう」

と、店主は「マスク権威主義者」だと批判した。

ここで不思議なのは、時代の寵児と言われ、飲食店を含め様々な事業を成功に導くホリエモンという「大物」が、なぜマスク不着用で入店拒否されたことを、ここまで大げさに、ネチネチと不平不満を述べ、店主を「攻撃」し続けるのか。一方で、ブログを読めばわかるのだが、店主はホリエモンを「悪質クレーマー」と呼び、常軌を逸したように怒りをぶちまけている。

実は、ホリエモンは尾道という場所に因縁があるのだ。しかも人生を狂わせる因縁だ。

もちろん事実はわからないが、店主の話を信じれば、「堀江さん?」話しかけたのに、ホリエモンには「お前、堀江か!!」と喧嘩を売られたり、罵倒された、ように聞こえたのではないのか、という可能性が高い。そうなると後の騒動の展開に辻褄が合う。店主がホリエモンにあれほどの怒りをぶつけたこともだ。

尾道市の「堀江貴文事務所」はライブドア事件で解散した過去

ホリエモンは2005年の衆院総選挙に広島6区から無所属で出馬した。当時の武部勤自民党幹事長など自民党の大物が応援に駆けつけていたため、地元の大物議員・亀井静香氏に対する「自民党の刺客」などと呼ばれた。そんなホリエモンが選挙事務所を置いたのが尾道だった。尾道とは特に縁がなく、ホリエモンは出身地の福岡で出馬する予定がありなぜか変更している。

選挙戦が始まるとホリエモン人気は凄まじく、街頭演説ではすぐに1000人近くの人だかりができ、演説会では公会堂の外にまで人が溢れ、入場制限をするほどだった。選挙戦の賑わいでは亀井氏を圧倒した。ところが、

「ホリエモンの話を聞いているのは、子どもばかりで、有権者ではない」

「選挙ボランティアも若者ばかりで、どこかの高校の生徒会長選挙を髣髴とさせる」

などといった報道があった。結局ホリエモンは「よそ者」。それどころか、地元の英雄・亀井氏の憎い敵。地元の有力者との面会も断られる有様だったのだ。

結果的に亀井氏の11万票に対し、約2万6000票差をつけられて8万4千票で落選する。その後地元では「落選の挨拶もなく東京に帰った」という非礼ぶりが話題にもなった。

ホリエモンの政治団体「堀江貴文事務所」(広島県尾道市)が06年12月、県の選管に解散届を出した。そして尾道事務所は消滅する。いわゆるライブドア事件で逮捕され、活動できない状態、というのが理由だった。

今回、尾道の餃子店に行って入店拒否されたとき、ホリエモンの心中に去来したのは何だったのか。そもそもどうして尾道に行ったのか、9月27日にホリエモンはTwitterで、

「何で尾道にいたんですか!?」

とフォロワーから聞かれると、

「理由必要なの?笑」

と答えている。

 

(リンク)

「マスクをしていないと入れない店」に異議あり!(堀江貴文 ホリエモンYouTubeチャンネル)