小説家で天台宗の尼僧、瀬戸内寂聴さん(享年99)の訃報リークが2021年11月9日にあり、それが事実なのかどうかネットで騒動になっていたが、11日、瀬戸内さんのInstagramと公式HP「寂庵へようこそ」が、9日に亡くなっていたことを伝えた。

「静かに瀬戸内を見送りくださいますよう」

瀬戸内さんのInstagramは11日、

「作家・僧侶の瀬戸内寂聴は、2021年11月9日、永眠いたしました。享年99。先月より体調不良のため、入院、加療しておりました。葬儀は近親者のみで執り行います。みなさまにおかれましても、静かに瀬戸内を見送りくださいますよう、何卒お願い申し上げます。恐縮ながら、お香典・お花はご辞退させていただきます。生前のご厚誼に感謝し、謹んでお知らせ申しあげます。誠に勝手ながら、来庵はお控えくださいますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。曼荼羅山 寂庵」

と伝えた。公式HPにも同様のことが書かれている。

9日にTwitterに出たリークは「美悠」さんのもので、

「おばあちゃんの親友の瀬戸内寂聴さんが亡くなった。傍若無人なところもあったけど、明るくて私は嫌いじゃなかったな」

となっていた。公表については、

「密葬が済むまでは公表しないんじゃないかな」

としていたが、10日にメディアや関係者などから相当数の問い合わせがあり、11日に公表することになったようだ。

女性の性への情念、性の解放を訴えた作家

瀬戸内さんは、1922年(大正11年)5月15日に徳島県徳島市塀裏町(現・幸町)に三谷晴美として生まれた。徳島高等女学校時代に父が従祖母・瀬戸内いとと養子縁組したことで姓が三谷から瀬戸内になった。東京女子大学在学中の20歳で見合いをし1943年2月に結婚。10月に夫の任地の北京に渡るが終戦で帰国。1948年に夫と3歳の長女と別れ三谷晴美の名前で京都で執筆活動を開始する(正式離婚は1950年)。1957年に「女子大生・曲愛玲」で新潮同人雑誌賞を受賞し、受賞第1作「花芯」がポルノ小説だとの批判が出てから文芸誌の執筆は無くなった。1963年に不倫の恋愛体験小説「夏の終り」が女流文学賞を受賞。これをきっかけに人気作家に。出家は約7年間恋愛関係にあった作家の井上光晴(享年66)との関係を絶つためだったとされ、51歳に中尊寺の天台宗で法名を「寂聴」と得度した。今春聴(今東光、享年79)大僧正が師僧だった。以降も執筆活動を続けテレビなどのメディアにも出演。文化人としての顔が強く出た。1997年には文化功労者に選出、2006年には文化勲章を受章。日本のフェミニズム文学の先駆者という言われ方もあるが、女性の性への情念、性の解放を訴えた作家でもあった。

 

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(リンク)

瀬戸内寂聴Instagram

https://www.instagram.com/p/CWHyVZhp7DI/

 

瀬戸内寂聴公式HP「寂庵へようこそ」

https://www.jakuan.jp/