ガールズマーケティングのMRAが毎年恒例の「egg流行語大賞2021」を2021年11月9日に発表したところ、第2位に「ルーズソックス」が入った。

ルーズソックスといえば今年に入り再ブーム到来、と噂されていたが、コロナ禍で主力の女子高生が外出を控えていたこともあり、「誰が履いているの?」といった疑問も出ていた。

「きゃぱい」「超チル」「ずっしょ」って知ってる?

「egg流行語大賞2021」は、WEB、そしてギャル雑誌「egg」の専属モデル、読者モデル、フォロワーなど合計5000人にアンケートを実施し決定した。それによると1位が「きゃぱい」(キャパがオーバーしていること。いっぱいいっぱいな様子)、2位「ルーズソックス」、3位「羽ばたいてるね」(イケてるなどの意味)、4位「超チルなラッパー」(「チル」はゆっくり、のんびりの意味。「えっ??あーしの夢っすかぁ〜~?超チルなラッパー!」などと使われ、元々は受験を辞めたいときに進路指導室で教員に告げるネタとして広まった)、位が「ずっしょ」(ずっと一緒の意味)、6位「イエベ、ブルベ、ギャルべ」(イエローベース、ブルーベース、ギャルベースの略語で、生まれ持った肌の色のこと)、7が「ひよってるやついる?」(アニメ「東京リベンジャーズ」のマイキーのセリフ。びびっているやついる?の意味)、8位「アセアセ」(困ったとき、焦っている時の語尾に付けて使用する)、9位「なんでも言っちゃって~」、10位「こみこみで」(色々な意味で、全部合わせて)になった。多くが投稿動画サイト「TikTok」から生まれたもので、またギャル雑誌だけにヤンキーを扱ったアニメにも影響されている。そして驚くのは「ルーズソックス」が2位に入っていることだ。

カワイイだけでなく足が細く見える

ルーズソックスは約25年前に流行し、当時の女子高生の代名詞のような存在だった。制服のスカート丈をできる限り短くし、底厚靴やローファーに合わせた。カワイイということだけでなく、足が細く見えるという効果があった。当時はコギャルやガングロといったファッションもあり、10代が生き生きしていた時代だ。これが好ましくないと禁止する学校も現れ、またファッションの傾向が超ミニスカートからおとなしい方向に変わったことによって「絶滅」したとされた。2位に入った理由としてMRAは、平成の女子高生はルーズソックスを運動会や文化祭、遊園地に行く「特別な日」の思い出として履くことが多かった。令和に入りストリート系のファッションに組み合わせるようになった。今年は女子高生が日常的に制服に合わせるファッションが流行し、それは4年前から「eggモデル」が着こなしを発信していたからではないか、としている。ところが、都内を歩いてみてもルーズソックスを履いた女子高生を見ることはなかなかない。そもそもコロナ禍で外に出回らないのと、今の女子高生の制服は当時に比べれば地味に見え、丈を短くするなどの「改造」は加えず、おとなしくキチンと着ている。だからルーズソックスは合わないのだ。ところがルーズソックスが注目されているのは間違いないようで、そこには色んな要因があるとファッション関係者は分析している。

コロナ禍去ればルーズソックスの花が咲く?

母親と娘の関係がいいとずっと言われてきていて、そんなルーズソックス世代の子供が中高生になり、母親の当時の写真を見て、自分も真似したいと思った。ファッションはそうして繰り返される。また、コロナ禍で外出できにくい状況が続く中、鬱屈の捌け口になるようなキラキラしたものを求めるようになった。それが10代が一番輝いていた時代のファッションだ。そして、ルーズソックスは足の多くの部分を覆うことになるため、コロナ禍における精神的な不安を和らげる効果がある、などだ。もしもルーズソックスの再ブームが話題のみで終わるのではなく確実なものなら、コロナ禍が明け本当の日常が戻った時、街に溢れる状態になっているのかもしれない。

 

(リンク)

「egg」公式サイト

https://eggegg.jp/

 

株式会社MRA公式HP

http://mra-1.co.jp/index.php