東京商工リサーチの調査によれば、今年1-8月のラーメン店の倒産(負債1,000万円以上)が28件と前年同期の3.5倍に増えた。
コロナ禍が始まった2020年の年間倒産件数が38件、21年が28件、22年は21件。22年が少ないのはゼロ・ゼロ融資、雇用調整助成金、持続化協力金などのコロナ関連支援で倒産が抑制されたため。今年はコロナ関連支援の縮小・終了に加え、食材価格や光熱費の高騰、人件費の上昇が影響した。過去15年間で最多だった13年の42件を超える可能性もあるという。
もともと競合が激しい業界
1-8月のラーメン店の倒産はコロナ関連倒産が15件(前年同期は6件)。倒産した28件のうち資本金1千万円未満が26件、従業員数従5人未満が25件。体力に乏しい小・零細規模が中心だった。物価高と人件費上昇の影響が深刻になっている。もともと競合が激しい業界。有力チェーン店などは経費の高騰に値上げや高価格帯商品などで対応。一方、価格転嫁ができない店舗も少なくない。地域別では中国地方が8件と最多。次いで近畿地方が8件。関東地方、中部地方は4件だった。
繁盛店はコロナ禍中でも行列
調査ではコロナ関連支援の打ち切り、原材料費や光熱費の高騰、人件費の上昇など体力のないラーメン店が倒産したとしている。これに関しネット上では首を捻る人が多い。そもそも「ラーメン屋が多すぎる」というのだ。
「次から次へと出来るのラーメン屋かコンビニだけや」
「駅前ざっとみるだけでも家系(笑)が立ち並んでてカオスだわ」
そもそも繁盛店はコロナ禍でも行列が絶えなかった。コロナが終わって値上げラッシュとなり、ますます人気のない店から客足が遠のいた。
「潰れる店は当たり前に市場淘汰されてるだけや。一蘭とかがあれだけ展開してたら有象無象のラーメン屋なんて成り立たんやろ」
「売れもしない店が助成金によって耐えてただけで3年分まとめて閉店しただけやろーーーって普通は思うよね?」
「コロナ前から潰れかけてた店を給付金で延命させて、今年に倒産が増えるのは当然でしょ」
といったことが掲示板に書き込まれている。ラーメン店の倒産を物価高などの外的要因に結びつけるのは間違っているのではないか、という主張だ。ラーメンには「1000円の壁」があるとよく言われる。値上げは「命取りになる恐れもあり中々踏み切れない」という主張だが、繁盛店の多くは既にその壁を越えている。客が納得できるラーメンと価格帯。これが提供できないラーメン店は淘汰されている、という主張だ。
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(リンク)
東京商工リサーチ「2023年1-8月『ラーメン店の倒産動向』調査」