東京オリンピック空手組手75キロ級で銅メダルに輝いたウクライナのスタニスラフ・ホルナ選手(33)。同メダルをウクライナの人々を救う資金にするためオークションに出品したことは日本でも報道されたが、その後日談を同オークションの主催者でもあるウクライナメディア「Tribuna.com」が伝え、感動が広がっている。落札したのは日本人男性だった。
獲得したメダルで最も価値のある人生の夢
スタニスラフ選手はこの銅メダルについて、
「19年間の競技生活で獲得した200個のメダルの中でも最も価値のある人生の夢だ。だからこそ出品したいのだ」
と述べた。1万ドル(約120万円)からスタートし、現地時間の4月8日に合計47回の入札が行われ、2万500ドル(約260万円)で落札された。落札したのは娘さんが空手を習っているという東京在住の日本人男性。「Tribuna.com」は4月14日、スタニスラフ選手の銅メダルはオリンピックから1年も経たないうちに東京に戻ってしまう、と報じた。しかし、話はそれで終わらない、と書いた。匿名を条件に落札した男性へのインタビューを行ったのだ。
彼がまた日本から帰国できることを願う
「Tribuna.com」によると、その日本人男性はこう語ったという。
「スタニスラフ選手には、東京オリンピックで獲得した銅メダルを失ってほしくないです。彼が気にしないのならば、ウクライナが平和を取り戻した後に、彼を東京に招待してメダルを返したい。彼がまた、日本からウクライナに帰国できることを願っています」
そして、
「ウクライナに平和が訪れたら、彼からの連絡をうれしく待っているとスタニスラフ選手に伝えて頂ければ幸いです」
と記者に話したという。
(リンク)
Tribuna.com「日本のバイヤーがTribuna.comオークションでゴルナメダルを購入しました。戦後、彼はそれをアスリートに返します」(ウクライナ語)