音楽プロデューサーの松尾潔氏(55)が、所属する芸能事務所「スマイルカンパニー(SC)」との契約を途中で打ち切られた問題。松尾氏は「日刊ゲンダイ」の連載コラムで明かすとしていて、どのメディアの取材も受けなかった。7月6日、その記事が配信された。

ジャニー喜多川ってヤバいんでしょ?

この問題の発覚は、松尾氏自身のTwitter。7月1日、

「15年間在籍したスマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で終了になりました。 私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です。私をスマイルに誘ってくださった山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です。今までのサポートに感謝します。バイバイ!」

自身もジャニーズ事務所と仕事をしていた。「ジャニー喜多川ってヤバいんでしょ?」と聞かれた事も。たまに関わるだけなので知りようがないし、興味もなかった。松尾さんをSCに誘った山下さん(70)はジャニー氏を尊敬している、とメディアで公言。1980年代からジャニーズに関わっていた。松尾氏は英BBCドキュメンタリーを見て「はげしい悔恨の念に襲われた」。声を挙げなければいけない、タレントを守らなければいけない。

山下家・小杉家・藤島家の「義理人情」

契約打ち切りは、

「いわば不敬罪による一発退場である」

ジュリー社長が自身の見解を示したのが5月14日。翌日15日放送のRKBラジオ「田畑竜介 Grooooow Up」に松尾氏が出演し、一般企業比べ「社会的責任」が欠けている、動画ではなく記者会見を開くべき、第三者委員会の設置、事実を認め引責辞任に言及するべき、と主張した。

18日、小杉周水SC社長(47)に事務所に呼ばれた。作曲家として後輩でもある。涙を流しながら解約が伝えられた。理由は、山下家・小杉家・藤島家の付き合いは、

「ビジネスではなく『義理人情』なのだから、ということだった」

ただ、どうしても山下さん、妻の竹内まりやさん(68)が賛成していると信じられなかった。それほど親しい付き合い。尊敬もしていた。なにより、ジャニー氏のやってきたことを山下さんは絶対に許せるわけがない、と思っていたからだ。

最後に「弾圧のブルース」の歌詞

「これから山下夫妻の意向を確認する」と言った松尾氏だが、小杉社長の意を汲み自分から電話やメールはしなかった。山下さんからは、何の連絡もなかったようだ。松尾氏は弁護士を通じ、山下さんの気持ちを確認する。山下さんの弁護士から伝えられたのは、契約解除に賛成しているのは「事実」。

「この回答を確認したぼくは、契約終了の最終合意に応じた」

松尾氏は最後に、山下さんが昨年6月にリリースしたアルバム「SOFTLY(ソフトリー)」の中の一曲、「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」の歌詞を掲載しコラムは終わる。

「許してはならないこと あったはずじゃなかったのか ねえ、違うの? なぜ、言えないの? 何も、出来ないの? どうして? どうして? 何も言えないの? どうして? どうして?」(山下達郎作詞・作曲)

 

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(リンク)

日刊ゲンダイDigital「『スマイルカンパニー契約解除の全真相』弁護士を通じて山下達郎・竹内まりや夫妻の“賛成事実”を確認」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/325603

松尾潔氏Twitter「山下達郎さんも会社方針に賛成」

https://twitter.com/kiyoshimatsuo/status/1675045489748873216

株式会社スマイルカンパニー

https://www.smile-co.jp/