NHKが2020年12月21日、「第71回紅白歌合戦」の曲目を発表するとアニメファンの怒号が響き渡った。鈴木雅之さん(64)に対するもので、人気アニメ「かぐや様は告らせたい」の主題歌を歌うと信じていたからだ。NHKの発表は「夢で逢えたら」だった。
鈴木さんは「かぐや様」を歌ったことで再ブレーク、多くのアニメファンに支えられ紅白にも返り咲いた。「アニメを踏み台にした」との批判も出たが、「選曲したのは鈴木さんではない」「鈴木さんはアニメに気を使っている」といった擁護の声も飛び出した。
「アニソン界の大型新人」とファンに持て囃された
NHKが発表した鈴木さんの歌唱曲は、これまで幾多の人がカバーしてきた吉田美奈子さん(67)の代表曲「夢で逢えたら」(初出は1976年)。これは鈴木さんを応援してきたアニメファンにとって許されざる出来事だった。
鈴木さんは古くからのファンには「ラブソングの帝王」だが、2019年からはこう呼ばれるようになる。それは「アニソン界の大型新人」。歌謡界の大御所が「こちら側に来た」ことでアニメファンは歓喜した。アニメ「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」(2019年1~3月放送)の主題歌「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」は数々の音楽配信チャートでトップになり、鈴木さんはこの年のアニメソングイベント「アニサマ」にも出演した。
「かぐや様」の二期(2020年4月~6月)でも主題歌「DADDY!DADDY!DO! feat. 鈴木愛理」を担当。MVはユーチューブで現在2300万回以上視聴される大人気。「NHK紅白歌合戦」には24年振りの出場を決めている。こうした経緯から鈴木さんが歌うのは「かぐや様」だと思うのは何の不思議もない。ところが、NHKが発表したのは「夢で逢えたら」であり、ネットでは、
「じゃぁなんで今年久々に紅白に出れたんですか?」
「タイアップ前は終わった歌手だったくせに別の曲歌うとかなんなの。二度とかかぐや様に関わらないでください
「なんとなく利用された感があるのは心が狭いから?」
「所詮かぐや様は踏み台じゃけ〜」
などといった怒号が響いた。鈴木さんの公式ツイッターに凸し、怒りをぶちまける人も現れた。
しかし、鈴木さんが一方的に攻撃されている、というわけではない。
「アニメに気遣う言葉もあり、ホッとしました」
「選曲したのは鈴木さんではなくNHK」
「NHKからすりゃ豚どもがブヒるだけのアニソンなんか歌わせたくねぇんだよ。テメェの感情で他人を冒涜すんな」
「NHKあんなにアニメ推してるのに紅白アニソン削ってる」
といった意見もある。
鈴木さんは今回の紅白出場についてオフィシャルな報告を行った。11月16日に出場歌手が発表された当日の朝、お母様がお亡くなりになったのだそうだ。そのお母様が好きだった曲が「夢で逢えたら」。その曲が「今こそ歌おう みんなでエール」という紅白の今年のテーマに大きな役割を担っている。舞台に立つ鈴木雅之を応援してください、とした。
そして、
「今年関わったドラマ、アニメ、イベント、動画配信等のスタッフ陣に支えられて、積み上げてきた活動が実を結んだ結果だと思っています」
と紅白に出場できる感謝を述べた。この部分に「アニメ」があるということも話題になっていて、
「コメント読んだら納得した。いつの日か、かぐや様三期のOPを紅白で」
「アニメに気遣う言葉もあり、決してかぐや様をどうでもよいと物してるわけではないのがわかりホッとしました」
というコメントもネット上に出ている。
(リンク)
TVアニメ「かぐや様は告らせたい」公式HP
MASAYUKI SUZUKI Official Website