テニスの4大大会、全米オープン女子シングルスで決勝があり、日本の大坂なおみ選手(22)が2020年9月13日(米国時間12日)、18年以来2度目の優勝を果たした。19年の全豪オープンとあわせて4大大会通算3勝目という凄い成績で、日本のメディアは歓喜の報道を続けた。しかし、ネット上では盛り上がりに欠けている。人種差別に抗議した「黒いマスク」と、それに絡んだ試合ボイコット未遂のせいだ。優勝の知らせにネットでは「応援していた自分が恥ずかしい」などといった書き込みが出ている。

「However before Iam a athlete,Iam a blak women」

大坂さんは大阪府大阪市中央区出身で、日本人の母とハイチ共和国出身の父親のもとに生まれた。両親は札幌で出会い大阪に転居した。「大坂」は母方の姓である。3歳からテニスを始め2001年にアメリカに移住する。「テニス選手としての国籍は日本」として試合に挑み、日本のオリンピックの強化選手としても認定された。本人は「日本とメリカ、ハイチ3つの国を誇りにしている」と語っていた。18年までは日米の二重国籍で、22歳の誕生日にあたって国籍を日本に選択した。所属は日本企業の日清食品ホールディングス。

こうしたことからテレビや新聞でも一般的な日本人選手として扱い、誰も疑いの持ちようがなかった。日本語がたどたどしいのも「大坂なおみ語録」として人気となった。18年に全米オープン女子シングルスの初優勝を果たした際には「日本人初の快挙!」として大々的に報じられ、日本国中が熱気に包まれ、ファンが激増した。
ところが、である。大坂さんの一言が日本中を凍らせた。

ニューヨークで行われたウエスタン・アンド・サザン・オープン準決勝を前にした現地時間8月27日、自身のツイッターで、
「However before Iam a athlete,Iam a blak women」
とし、黒人男性が警察官に7発銃撃された事件に抗議した。棄権するとした準決勝は撤回、出場したが「Black Lives Matter」との文字が書かれたTシャツで登場した。

「拉致被害者の名前入りマスクを着用することはしないらしい」

このボイコット騒動は、日本では「スポーツに政治を持ち込むなんて、、、」と強い批判が起き、「あっけにとられた」という人ばかりが目立った。というのも、日本において、日本のアスリートがこうした行動をとることが理解できないし、そもそもそんな行動は想像すらできないからだ。「日本人として恥ずかしい」と思っている人もいた。

大坂さんは、全米オープンでも人種差別に抗議するため、黒地のマスクに警察官に射殺された12歳の少年などの名前を書いたマスクを7枚用意(決勝まで進むと7試合行われる)、決勝まですべて着用した。
これがいいことなのか悪いことなのか判断はできないけれども、少なくとも日本の一般常識にはなく、激しい違和感を覚えた人が少なからずいた。

全米オープンで18年以来2度目の優勝の大坂さんを称賛するニュースが9月13日にネット上にあふれたが、コメント欄などでは盛り上がりに欠けた。アンチ的なコメントもけっこうあり、
「やはり大坂は応援しちゃいけない選手になったと実感できる」
「なお拉致被害者の名前入りマスクを着用することはしないらしい」
「アフリカ系アメリカ人のNaomi Osakaさん優勝おめでとう←棒読み」
「以前応援していた自分が恥ずかしいです。未来永劫『大・大・大嫌い』です」
「もう日本人を名乗らなくていいです」
などといった感想が掲示板に出ている。

 

(リンク)

大坂なおみ公式Twitter