東京大学名誉教授でフェミニストの上野千鶴子さん(73)が小学生のランドセルについて、あれは兵隊の背嚢(はいのう、軍隊で徒歩部隊の将兵が背負う袋)をモデルにつくったものであり、「いいかげんに止めたらどうか」とした。代わりに軽量小型で容量たっぷりの使い勝手がいいバックパックはどうかと提案したところ、ネットで激しい反発が起こった。

使い勝手のよいバックパックがある

これは朝日新聞デジタルが2022年4月21日に配信したコラム(途中から有料)に書かれたもの。この時期になると新入生の親を悩ませるのがランドセルの色選びだが、

「色合い以前に、あの兵隊さんの背嚢をモデルにつくった重い本革のランドセルなるもの、いいかげんに止めたらどうか」

とし、最近はアウトドアブームで軽量小型、容量たっぷり、使い勝手のよいバックパックがいろいろ出ている「それを選んじゃいけないのか」とした。それに、ICT化が進めば重い教科書を持ち運びしなくてもiPadひとつで十分、文房具もいらなくなる、と書いた。

「まだ軍靴の音が聞こえてんのか、、、」

ところが今、ランドセルを巡っては海外人気を含めてちょっとしたブームだ。「ラン活」という言葉も生まれていて、早ければ入学一年前にどのランドセルを購入するかの競争が始まる。発売直後に売れ切れるランドセルも存在する。東京ディズニーリゾートもオリジナルランドセルの販売事業に参入し、4月21日から受注が始まった。ランドセルは確かに小学校一年生には大きく重く感じるかもしれないが、人気の理由は入れるものの整理がしやすいこと。両手が使えるし、後ろに転んだ時に頭を守るクッションにもなる。中心価格は4万~8万円ということだが、6年間使えるとすればコスパ的に優位性がある。ネット上では上野さんの「いいかげんに止めたらどうか」に強い反発が起きていて、

「無理やり戦争とか絡めるなよ」

「ランドセルを背負った小学生を見るたびに兵士を連想して内心怯えているのか
そりゃ攻撃的な人間になるわけだ」

「まだ軍靴の音聞こえてんのか 海外ハイブランドだって元は軍用品メーカーだし そんなもん気にしてたら何も出来んわ」

などといったことが掲示板に書き込まれている。

 

(リンク)

朝日新聞デジタル「上野千鶴子さん『いいかげんランドセル止めたら?』問われる親の選択」

https://www.asahi.com/articles/ASQ4N41R0Q

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