日本たばこ産業は2021年7月30日、10 月 1 日からのたばこ税増税等に伴い、紙巻たばこ、葉巻たば、かぎたばこなど計173銘柄を値上げすると発表。すると、Twitterトレンドで「わかば500円」が急上昇した。
「わかば」といえば「貧乏人タバコ」としても有名で、5年前の2016年は390円だった。それが500円になるとなれば存在価値が薄れる、という騒ぎだなのだが、実は、驚いている人たちの多くは、「わかば」をよく知らない人たちだった。
「わかば」は2年前に廃止され販売が終了している
Twitterにはこんな驚きがtweetされている。セブンスターが600円、メビウスは580円、あの美味しくないわかば500円になる、とし、
「タバコはやめて5年以上経つがわかば500円ってなかなかのパワーワード笑」
「わかば500円とかマジかよ。貧民の味方が敵に回った感強い。私も昔はお世話になったなぁ」
「わかば500円て…もうそれわかばじゃないよ…吸ったことないけど」
「エコーとわかば500円がヤバいことは分かる、もう他の買った方がいいのでは……」
などといったものが並んだ。ここで分かるのは、「わかば」を従来のイメージで捉えているか、既に禁煙していたり、タバコを吸ったことのない人ばかりなのだ。というのも誰もが知る「わかば」は、2年前に販売が終了しているからだ。
今回の衝撃は、葉巻タバコの値段が急上昇すること
「わかば」は「旧3級品」という銘柄で、人それぞれの好みによって評価は異なるが、一般的には味が荒く、フィルターも活性炭が入っていない旧式、「3級品」だから税率が低いため低価格に抑えられている、というもの。安いから「お金が無い時に買う」とされたが、2019年10月に「旧3級品特別たばこ税率」が撤廃。価格を上げることができず、「わかば」は在庫分の販売をもって廃止された。現在売られているのは「わかば」ではなく「わかば・シガー」。従来品は紙巻きたばこで、現在は葉巻タバコ。葉巻タバコは税率が低いため「わかば・シガー」に採用された。味や吸った感覚は従来品とは異なり、現在の値段は20本入り410円で、葉巻タバコの「キャメル・シガー・ボックス」「エコー・シガー」よりも10円高い。
今回の値上げの衝撃は、税率を抑えるために考え出された葉巻タバコの値段が急上昇すること。紙巻きたばこの「セブンスター」が560円から600円、「メビウス」が540円から580円と40円の値上げに対し、「キャメル・シガー・ボックス」は400円から500円、「キャメル・シガー・スリム」は380円から490円、「ゴールデンバット・シガー」が370円から500円、と100~130円値上がりする。それに比べれば「わかば・シガー」は410円から500円と90円の値上がり。旧貧乏人タバコの精神が、そこにだけ発揮された可能性もある。
(リンク)
JTのタバコ値上げに関するプレスリリース