韓国の焼き肉文化「カルビ」を日本の有名シェフが盗もうとし、「カルビは日本食だ」と主張した。その嘘にスコットランド出身の三ツ星シェフ、ゴードン・ラムゼイ氏(Gordon Ramsay 、55)が激怒し、テレビ番組で怒鳴り付けた。それを世界中のメディアが報じたーーーそんな内容のYouTube動画が韓国で大人気となり、2022年1月5日までに308万回再生された。日本人バッシングが起こり、ゴードン氏への感謝が綴られたが、実はこの動画は捏造だった。一転し韓国ではこの動画に怒りの声が噴出することになった。

「日本人は大会参加ではなく泥棒をしに来た」

その動画のタイトルは「日本の有名シェフに真の教育を施したゴードン・ラムゼイ」。投稿されたのは3週間ほど前だ。ゴードン氏が怒鳴りつけている先にはシェフがいて、日本の国旗が写っている。動画は削除されているが説明文は残っていて、「カルビを日本食だと騙そうとしている日本人にゴードン氏がどう対応したのかについて調べた」、とある。2022年1月6日に韓国のマネートゥデイが配信した記事によれば、この動画の内容は、料理大会が開かれた際に日本のシェフがカルビは和食と騙そうとしたため会場が混乱した。そこにゴードン氏が現れ、日本人シェフのトリックを摘発した。これに関し全世界のマスコミが韓国文化からカルビを盗もうとした日本人を非難した、というもの。この動画に韓国は沸き、「日本人は料理大会参加ではなく泥棒をしに来た」「カルビを日本食にしてはならない」など日本批判が過熱。反日感情を刺激したこの動画は1月5日までに308万回再生。ところがこれは捏造動画。それが分かると、高評価は一転し激しい怒りに変わったと書いている。

「日本、中国の捏造国家と韓国は同じなのでは?」

この動画はゴードン氏の人気バラエティ番組「ヘルスキッチン」シーズン6の5話を使っていて、そこにカルビは登場しない。ゴードン氏が東洋系参加者に怒ったのは、ステーキを全部焦がしたから。その参加者の名前は「アマンダ・テック・ムーア」(Amanda Tek Moore)で、日本人という説明はない。

マネートゥデイによれば、韓国では今、YouTube動画で広告収入を得るため過激なフェイク動画が多数作られている。こうした人たちは「グクポン」(過度の愛国主義)と呼ばれ、これまでも「イギリスは韓民族が立てた国家」「プーチンが韓国に核弾頭を譲渡する事態に」「サムスンは破産直前のアップル買収するのか」といったものがあった。客観的根拠が無くてもこうした動画は数十万再生となり、特に日本と中国に関しては反感が強いため、常習的に捏造動画が作られているという。今回のカルビのフェイク動画について韓国内では様々な検証が行われていて、掲示板には、

「いつも私たちが日本や中国は捏造と扇動の民族だと貶しているのに、私たちも変わらないのではないですか?韓国人のプライドは守りましょうよ本当に..」

「日本人を見て真実を歪曲すると言うが、真実を歪曲する奴がここにいる」

「嘘をついてまで日本を攻撃したいのか、 あまりにも卑しい」

「『韓国人の人口が13億人なら中国だ』という言葉を証明する映像です」

「偽の映像だとニュースにありました!お金のために人目を引く行為。国を売りながら生活しないでください!」

などの書き込みが出ている。

 

(リンク)

MTN (マネートゥデイ放送 / 머니투데이방송)

「갈비 훔친 일본인, 고든램지가 참교육? ‘국뽕 유튜브’ 알고보니…」

https://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2022010515581089640&type=1