東京オリンピックで、大会組織委員会が16万個用意したとされるコンドーム。新型コロナウイルス感染対策との矛盾が指摘され、選手への配布が中止されたはずだったが、コンドームを「使用」する選手が現れたことで、「実は選手村でこっそりと配っている?」といった噂が流れた。配布予定だったコンドームは今どうなっているのだろうか?
金メダル取れたのはコンドームのおかげ?
コンドームはどこにあった?と話題になったのは、カヌー・スラローム女子カヤックシングルで銅メダル、カヌー・スラローム女子カナディアンシングルで金メダルを獲得したオーストラリアのジェシカ・フォックス選手(27)。ジェシカ選手は7月27日、コンドームを損傷したカヤックの先端部分にかぶせて「補修」する動画を自身のInstagramに投稿した。コンドームは伸縮性と強度があり、さらに滑らかなため補修の道具として適している、などと説明。その結果、7月29日に行われたカナディアンシングルでゴールドメダリストに輝き一躍、時の人となった。別の話題としては、「修理用にコンドームを持ち歩いているのか?」というものがあり、「選手村で配っているのでは?」ということも囁かれた。16万個用意されたというコンドームは今、どうなっているのか。
NNJニュースが大会組織委に取材を申し込んだところ8月6日にメールで回答が寄せられた。
帰国の手続きの際に選手に配っています
回答によると、選手村でのコンドームの配布は、HIV、AIDSがアスリートや若者の未来を奪い、差別や貧困も生んでいることから、IOCが撲滅のための啓発活動として、1988年ソウル大会から行われている。実はコンドームは選手村で使うものではなく、母国に持ち帰ってもらい、IOCが掲げる啓発に協力してもらうのが目的だ、とし、
「東京大会では、選手にもっと趣旨・目的をしっかり伝えていくために、帰国の手続きの際に、各国選手団向けに配布し、母国に持ち帰って啓発に協力いただけるような仕組みとすることにしています」
とした。つまり、ジェシカ選手が使ったコンドームはオリンピック村で配られたものではない、ということであり、さらに、日本が用意したコンドームを選手が手にできるのは、帰国手続き後、ということのようだ。
(リンク)
ジェシカ・フォックス選手がInstagramで公開したコンドームで修理する動画