「女の敵は、いつだって女なのよ」などの言葉が書かれたグッズ。時代と感覚がズレているといった激しい批判が起こり、発売が中止された。
ただしこの言葉、テレビアニメ「おねがいマイメロディ」内のお母さん(マイメロディママ)のもの。子供に伝える名言ではなく、相手を攻撃する「ドS」言葉。本来はマニア向け商品であり、「マイメロ」ファンはアニメと現実を重ねられたと戸惑っている。また、フェミによる攻撃ではないかと怒っている。
男らしさ女らしさは偏見を助長する?
今回発売が中止されたのはファッションクロスのブランド「ITS’DEMO(イッツデモ)」のノートやキーホルダーなどのグッズ。ここにママの言葉がプリントされていて、
「昔話をしている男ほど将来を期待できないものよ」
「女ってね、ダメな男ほど放っておけないものなのよ」
などが並んでいた。発売予定は2022年1月18日だったが、前日の17日、イッツデモは、
「『マイメロディのバレンタイン』一部販売中止のお知らせ バレンタイン企画として進めた一部の商品の発売を中止することにいたしました。ご了承ください」
とツイッターで告知した。発売が近付いた12日頃から、男らしさ女らしさは偏見を助長する、時代遅れの価値観、といった批判が激しくなった。
「アニメイト」のクリアファイルは完売
テレビアニメ「おねがいマイメロディ」はテレビ東京系で 2005~09年に放送され、シリーズ化している。サンリオの人気キャラ「マイメロディ」が主人公だがママも大活躍。名言風の「ドS」言葉を連発し、その言葉は相手の胸にグサリと刺さりダメージを与える。また、それを聞いているキャラが引いてしまうことで笑いを取る、といった構図だ。「ママの名言集」と持て囃され、まとめサイトもできている。2018年にはこの言葉をプリントしたクリアファイルが発売され、即完売。再販売されることになった。そうした中での中止にマイメロファンは驚きを隠せないでいる。ただし、先のクリアファイルを販売したのはオタクの聖地「アニメイト」全店限定。今回は全国展開のため広く告知をした。それでアニメ「マイメロ」を知らない人の目にも付いてしまい、騒ぎになった。
アニメのキャラに何をムキになっているの?
販売中止にファン達は、「マイメロ」が誤解され評価が下がることを恐れている。そもそもママの立ち位置を知らず、普通の名言だという理解をし、「女の敵は、いつだって女なのよ」を思想信条やジェンダーだと考えている。知らない人がいきなりこれを見せられ驚くのは理解できるが、調べもしないで感想を語るのは妄想に過ぎないし、アニメに現実を重ねるのはおかしい、と怒っている。発売中止を伝えるイッツデモのツイッターには、
「幼い頃アニメを見ていた娘も、マイメロママの名言が大好きで、久々に盛り上がろうとしていたのに。変な人達が難癖付けてきたせいで、中止になってしまうなんて…」
「マイメロの世界観を理解できない人の意見を聞くことも必要かもしれませんが、ファンはたくさん居ます!!」
「マイメロ母の言葉は誰に向けた言葉だったのでしょうか 私は同じ女性を讃えたり励ましたり元気になって貰おうとした言葉だと思いました」
「マイメロママのあのクールにズバッと言うセリフが好きすぎてツボだったので、今回のようなことがあったなんて残念です。批判してる方は、アニメのキャラに何をムキになっているのでしょうか。。。」
などといったリプライが付いている。
(リンク)
ITS’DEMO(イッツデモ)の公式Twitterアカウント