格闘技イベント「RIZIN」を運営するドリームファクトリーワールドワイドの榊原信行社長(58)が、キックボクシングの那須川天心選手(23)とK-1チャンピオンの武尊選手(30)の対戦が実現できた背景を語った。

2選手は対戦に前向きだったのだが、「RIZIN」と「K-1」サイドはすれ違いっぱなしだった。そこで榊原社長は最終手段としてのある条件を提示する。それは、那須川選手のキックボクシング引退を2カ月延ばす、というものだった。

「うわーっ、こんなこと言って来んな!」

榊原社長が語ったのは、2022年2月9日配信のYouTube「那須川天心チャンネル」。

「すれ違いっぱなしだから、どこかで合わせてもらうしかない。武尊とK-1には言いづらいんで、天心だったら言いやすいな、って思って」

何を言ったのかといえば、引退を2カ月延ばすこと。天心選手は今年4月の試合を最後に引退し、ボクシングに転向する予定だった。榊原社長は、

「4月も6月も2カ月しか違わないんだから、いいんちゃうんかな、と思った」

と語り爆笑。天心選手がこれを受けなければ対戦の可能性は閉ざされていた。6月まで延ばしてくれたことが実現のラストピースだった、とした。武尊選手も対戦への執着が強く、なんとかしたいという思いがあった。引退を6月に延ばさないかと相談された那須川選手は、

「うわーっ、こんなこと言って来んな!と思いながらも、心の中で『ちょっと面白いかも』。やりますよ、ってチームに言って」

と説明した。

プロモーター素質があるため「最後は受ける」

これまで多くのビッグマッチを組んできた榊原社長は、那須川VS武尊は生涯一番のビックマッチになると語った。実現に漕ぎ付けたのは後にも先にも那須川選手の決断。人を喜ばせることや驚かせることに長けていて「山っ気」がある。これはプロモーターとしての才能や感性でもある。「RIZIN」を運営してきてプロモーターの素質を感じたのは那須川選手と朝倉未来選手(29)の二人。普通の選手は格闘家として戦うことをファーストにするが、この2人はそれに加え、一歩引いて全体で何が面白いのかを考えることができる。これは稀有なことだとした。そして、

「だから(引退を伸ばす依頼を)受けちゃうんですよ。最後は」

と笑った。

 

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(リンク)

YouTube「那須川天心チャンネル」(RIZIN社長榊原さんと対談してきた)

https://www.youtube.com/watch?v=MuD2v7keJpA