フィギュアスケート日本代表の羽生結弦選手(27)が2022年2月14日、北京市内のメインメディアセンターで緊急記者会見を行った。

今回の北京オリンピックが選手として最後か、と質問されると「分からないです」と答えた。オリンピックは特別な場所であり、「また滑ってみたいな、とかっていう気持ちはもちろんあります」。ただし、次のオリンピックがどこで開催されるのかすら把握できていない自分がいて「正直混乱しています」とした。

緊急会見で引退の発表かと騒ぎに

会見は日本オリンピック委員会(JOC)主催によるもの。メディアからの取材依頼が殺到していることと、コロナ感染を避けるため、この広い会場での会見になったと羽生選手自らが説明した。緊急会見だったため、引退の表明ではないかと日本のネットで騒ぎになったが、引退に関する質問は出ず、羽生選手も口にしなかった。ただし、気になる事があった。次の大会に向けた具体的な目標やモチベーションが見当たらないのだという。

「これからも羽生結弦として、羽生結弦が大好きなフィギュアスケートを大切にしながら、極めていきたいと思っています」

とした。

4回転半ジャンプで最高点に辿り着いた

フリーを終えた感想として、ベストなものではなかったが、

「『残念だったな』という雰囲気に包まれなかったことに感謝したい」

「『おめでとうございます』にはならなかったかもしれないが、『よかった』という声を頂いて幸せです」

とした。というのも、4回転半ジャンプ(クワッドアクセル)で転倒し失敗したが、自分にとってはジャンプの最高点に辿り着いたからなのだという。自分の中には9歳の自分がいて、4回転半ジャンプに挑戦したのは「跳べ!」と指示をされたから。ジャンプのフォームは9歳の頃と同じになっている。今回は一緒に跳ぶことができ、いつもは自分を叱るばかりの9歳の自分に褒めてもらえた。

「満足した4回転半ジャンプでした」

4回転半ジャンプを成功させるまで選手を続けるのではないか、と噂されたが、それは今後のモチベーションにはならないのだそうだ。

オリンピックは特別で幸せな舞台だった

実は、フリー前日の練習で足を捻挫していた。ドクターから10日間安静と言われ、普通の試合なら棄権する怪我だった。

「オリンピックは特別な舞台だと思った。怪我をしていても立ち上がって挑戦する舞台だった。幸せな舞台だった」

と遠い目をした。次のオリンピックについては、「また滑ってみたい」という気持ちはあるが、「分からないです」。次の開催がどこかも把握しておらず「混乱しています」とした。羽生選手のインタビューからは、引退はいつかするだろうが、まだ何も決まっていないし考えてもいない。試合が終わったばかりだから仕方ないのかもしれないが、燃え尽き症候群の印象が伝わって来た。

 

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