クリスマスプレゼントに「4℃」がダメな理由「バカにするな！」とメルカリに出される前に考えよう

「4℃」といえば今や日本を代表する人気のジュエリーブランド。ところがクリスマスシーズンになると「メルカリ」に大量出品されたり、贈られた女性が怒ったりする。つまり「いらない」「バカにするな」ということのようだ。

そんな反応をするのは30代以上の女性が多い。今ネットで話題になっているのは「4℃」のアクサリーを貰い「信じられない」としてツイッターに写真を晒している30代の女性だ。

「大事なのは金額や物ではなく『思い』」とは言うが

「………………本当に…………頂いた身で……こんなこと…アレですが……………………………（30歳）」

という2020年12月22日のツイート。写真には「4℃」のロゴで包装された箱が写っていて、中身はオルゴールとオープンハートのネックレスだった。これを呟いたのは婚活中という「@into_mashumaro」さん。

「お相手との関係性にもよりますが、アクセサリーの贈り物は、『今後この人と顔合わせる時には着けていかなきゃなあ』という呪いのアイテムになり得るということを、どうか男性婚活垢はご承知おきください」

と続けた。

「4℃」を知っている人なら理解できる内容のようだが、そうでない人も多くいて、「オルゴールが子供っぽい？」「ネックレスが嫌い？」などのほかに、

「大事なのは金額や物ではなく『思い』なんだよ。このおばさんには永遠に理解できないでしょうね」

「せっかくのプレゼントをツイッターでダメ出しとか地雷女確定だろ」

「どんなプレゼントでも心から喜んでくれる性格が腐ってない女性達も絶対にいる」

といった批判が出た。また、

「30代女性に4℃のアクセをプレゼントすることは、30代男性にG-SHOCKの時計をプレゼントするのと同じ」

というのもある。

「4℃」といえば百貨店にあったり、ブライダルサービスも行っているため「大人のブランド」だと思っている人も多い。

そもそも「4℃」ってどんなブランドなのだろうか？

「4℃」ジュエリーが誕生したのは東京・原宿。当時の「第二空間」という会社が手掛け「DCブランドブーム」(1980年代)に乗って注目度が高まった。当時のコンセプトは原宿の露店、竹下通りのショップのワンランク上のジュエリー。イメージターゲットは竹下通りを訪れる高校生以上。価格は高校生でも気軽に買える、である。

ちなみに「4℃」という名前の意味だが、当初は「イメージと言葉の響きがいい」というだけ。ところが、メディアの取材などで意味を聞かれ続けたため「ビールが一番おいしい温度、、、」「水の密度が4°Cで最大になる、、、」などと悩んだ末、現在は、

「凍り付いた水面下でも魚などが生息できる『安息の場』を象徴している言葉」

としている。

(これはNNJニュースが第二空間の「4℃」創業者に直接話を聞いた)

女子高生も喜ぶ「ダイヤモンドネックレスが8400円」

やがて「４℃」はエフ・ディ・シィ・プロダクツなど運営会社がいろいろ変わり、ファッション、バッグなどアイテム幅を広げていき、ジュエリー部門も高額な商品を販売するようになった。しかし基本は創設時と変わらず、あくまで「高品質で若い人向けのリーズナブル価格」。例えば、2009年に行った「水」に関するチャリティーでは、「canal４℃」のクリアウオッチとブレスレットのセットは税込みで1575円、同ダイヤモンドネックレスが8400円、クリアリングが3150円。

実はこの価格設定が「４℃」を躍進させる。

日本のジュエリー業界は1991年の3兆円市場から長期低迷が続き2008年のリーマンショック以降は1万～2万円程度の低価格品と高額品の二極化になった。ここで急成長したのが「４℃」、一人勝ち、とも言われた。調査会社のリビジェンが15年、「あなたがもらった、もしくは購入した婚約指輪ブランドを教えてください」を調べたところ3位が「４℃」で、1位が「Tiffany & Co. 」、2位「Cartier 」、4位「I-PRIMO」、5位「BVLGARI 」だった。

ところが、である。これが前述のツイッターに結びついていく。