「日本赤十字がオタクに助けを求める」とNHKが報じたのは2020年12月26日。オタクが集うコミックマーケット(コミケ)は20年以上献血に協力してきたが、コロナ禍でこの冬は開催されなかった。輸血用血液が不足したため「エアコミケ」(コミケに行った気分)を開催し、30日からオタクに献血を呼び掛けた、というもの。
2021年1月6日、日本テレビの夕方のニュース番組「news every.」は、この献血の様子を紹介。「効果は覿面、既に例年のコミケほどの献血が確保できたということです」と報道した。ネットでは「オタクは偉大だ!」という声があがったが、テレビを見た視聴者から「オタクのほとんどがマスクをしていない」という批判が起きた。
例年のコミケほどの献血が1週間で確保できた
コミケで行われる献血は日赤とコミケ運営者とのコラボで20年ほど前から行われている。人気アニメキャラのポスターなどを配布することで開催すれば30台もの献血バスが出るという盛況だった。コロナ禍の影響で輸血用血液が足らない状況となり、「エアコミケ」を開催し、首都圏1都3県の献血ルームで献血をすれば「バーチャルユーチューバー」キャラのポスターがもらえる、というキャンペーン(昨年12月30日から今年1月31日まで)を行っている。
コミックマーケット準備会は6日にツイッターで、
「本日の日本テレビのnews every.にて、エアコミケと献血の取材があり、共同代表安田がお答えしました」
と告知した。同日夕方に告知の通り「news every.」がオタク献血の様子を報じた。
オタクだからこそ映像が何時のものか分かる
ナレーションが、
「効果は覿面、既に例年のコミケほどの献血が確保できたということです」
と流れると、
「オタクたちの血によって救われている命があるのね」
「オタクは偉大だ!」
「あいつら酒もタバコもやらんから血液キレイやろうしいい事づくめやん」
といった賞賛の声がツイッターや掲示板で上がった。ところがテレビ画面を見て、
「気になるのがかなり密なこととノーマスクが多いこと…こんな中に行きたくない」
「オタクってマスクしないもんか?」
「献血行くのは素晴らしいけどマスクしてない人多くない?」
といった声が上がることになった。
実際の映像を見てみると確かにマスクをしている人は殆どいない。6日に取材をし当日に放送している。一方で、6日の取材分には「きょう」というテロップが付いている。「過去の冬コミ」というテロップが付いているものもある。何のテロップも付いていない映像もある。「オタクはマスクをしていない」との意見をあるオタクが一蹴した。
「(自分は)オタクだから『カタログ発売中』ののぼり見て、過去の映像だってわかるけど、そうじゃないと(オタクじゃないと)ノーマスクだ、密だと思ってしまうの面白いな」
結局はマスクをしていない密の集団部分は「過去の冬コミ」の延長上の映像だったようだ。
(リンク)
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エアコミケ2 KADOKAWAブース
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