アニメの舞台となった街にファンが「聖地巡礼」として訪れ観光地化する。自治体も町興しを目的にアニメとコラボする。「ガールズ&パンツァー」の大洗町、「らき☆すた」の久喜市など成功例も多いが、「のうりん」の美濃加茂市、「輪廻のラグランジェ」の加茂市など批判が相次ぎ評判を落とすものもある。
観光地化が成功し、町が潤っても住民の誰もが喜ぶわけではない。「キモオタに来てほしくない」と話す自治体関係者もいる。そんな中、東京青山にあるカフェが、「ラブライブ!スーパースター!!」の「聖地」となりその発言で「炎上」した。
キービジュアルに青山の「カフェ」が出ていた
「ラブライブ!スーパースター!!」は2021年7月からNHKで放送予定で、スクールアイドルを目指す女子高生5人が主人公。「ラブライブ!」シリーズでは第四弾となる。同シリーズは「聖地」が設定されていて、今回は東京表参道、原宿、青山。5人は架空の新設校「私立結ヶ丘女子高等学校」に通う。
建築物に著作権は無く、これまで通り街並みが再現される。この5人のグループ「Liella!」のデビューシングルが4月7日に発売されていて、そのMVに既に街並みが出ている。キービジュアルも公開され、目ざといファンは「聖地巡礼」を開始。そのビジュアルに今回「炎上」したカフェが出ている。そのカフェの公式Twitterが「聖地巡礼」について感想をつぶやき、5月に入りアニメファンが騒然となった。
「正直変な人来るの困るだけですわ」
それは4月12日のTwitterだった。
「実はポツポツ、ファンらしき人は来ていて、今のところ常識的かつキチンとされているから大丈夫だけど アニメとかうちのお店のカラーに合わないんだよね。悪いけど」
「売り上げ上がるでしょ?言われるかもですが、元々かなり混んでるんで!正直変な人来るの困るだけですわ」
「うちの客層、業界系、アパレル、モデル、音楽関係…なのでみんな結構おしゃれだしオタクの人は浮きまくるかとー笑」
そして、この部分が最も怒りを買った。
「まぁ沼津とかと比べて青山だとちょっと気にしてくれるんじゃないかと思いますが」
沼津市はシリーズ第二段の「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台。「聖地」として確立されていて、現在も地元との交流が続いている。ファンの思いれが深い。そのため「とか」と付けられ傷ついた人もいた。
ネットでは、
「なんか完全にオタク見下してる店主なんだな」
「なんだろう店主がイラッとするからむしろ凸して客層荒らして欲しいと思ってしまうわ」
「ラブライバー vs 鼻につくカフェ店長 ファイッ!」
などといった書き込みが出た。
それで何が起きたかと言えば、Googleを始めとする店舗紹介の口コミ欄に、☆1といった低評価を付けまくり、カフェの悪口を書き込む、といった「炎上」騒動だ。
「最初はびっくりする。ただ、ただびっくりする」
「ラブライブ!」シリーズ第二段の舞台は沼津市。ここにはファンなら誰でも知っているお菓子店「旬彩創菓 菓南」がある。この店は同アニメの登場人物「松浦果南」と「菓南」が似ているとして話題になり、現在はコラボ商品も販売している。同店の公式Twitterは今回の騒動について、「個人的見解」と前置きしたうえで5月5日、
「うーん、お客さんはお客さんだよ。それをどう捉えるかは、その人次第。最初はびっくりする……ただ、ただびっくりする。でも、慣れるねぇ。怖いくらいに慣れるねぇ。極々たまーに??変なの湧くけど?? でも、極々たまーにw」
そして、
「お店が上でも、お客さんが上でもない。対等の立場でありたいと日々思います。お顔覚えてー、名前一致したりしてー あぁー、あの人なんだぁとか あの人はなんつー名前なのかー?とエゴサしたりw 楽しんだもの勝ち!じゃないでしょうか。たけこ的には日々感謝!!! みなさん、ありがと!!!」
と感謝を述べている。
(リンク)
「ラブライブ!スーパースター!!」公式HP
https://www.lovelive-anime.jp/yuigaoka/
「旬彩創菓 菓南」公式Twitter