東京五輪で開閉会式のディレクターを務めるお笑いコンビ「ラーメンズ」の小林賢太郎さん(48)が、2021年7月22日に解任された。開会式の1日前だった。小林さんは昔、ホロコーストをネタとして扱い、笑いを取っていて、その動画が発掘された。
お笑いのネタに関しては、「爆笑問題」の太田光さん(56)が自分たちの昔のネタに酷いものがあり、今バラされたら相当なバッシングを受ける、と語っている。
「浅はかに人の気を引こうとしていた頃」
問題となったコント動画は、1998年頃のもので斬新なテレビ番組企画を考える内容。バット、玉など文字で構成された野球場を作り、観客も人型の紙に「人」と書くのはどうか、という話しになり、「人型の紙はいっぱいある」とした。その人型の紙について、
「あー、あのユダヤ人大量惨殺ごっこやろうと言った時のな。(プロデューサー)が怒っていた。『放送できるか!ってな』」
というもの。小林さんは22日、自分が書いたコントのセリフに、極めて不謹慎な表現が含まれていた、と謝罪文を発表し、
「浅はかに人の気を引こうとしていた頃だと思います。その後、自分でも良くないと思い、考えを改め、人を傷つけない笑いを目指すようになっていきました」
と釈明した。小林さんのディレクター就任が発表されてからネット上では、不適切な動画あると問題視され、21日には米国のユダヤ人人権団体、「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が非難声明を出していた。
ネット上では、
「コントの中のヤバい奴役のセリフの一部がそんなに問題かね?それなら映画のヤバいセリフ言った俳優やら監督も全部アウトなのか?」
「正直コントのネタのたった一言にここまで過剰になる必要はないと思う。叩いて埃の出ない人の方が少ないんだから」
というものや、
「コントにしたからこそダメだということを知るべき」
というものもある。
爆笑問題も過去ネタバラされると辞任、解任へ?
「爆笑問題」の太田さんは、自分たちが過去にやっていた漫才ネタについてこう語った。
「俺らもネタなんか酷いですよ。昔やっていたネタなんて酷いんですけど、今バラされたらそうとう(バッシングを受ける)」
自分たちは未熟だったし、残酷だったかもしれない。ただし、その時代の価値観と今の価値観は違うし、今の価値観で過去の価値観を判断するのはどうか。過去があったから今があるのであって、それを過去ごと否定するというのは如何なものか、と語った。7月18日放送のTBS「サンデージャポン」でのこと。学生時代の壮絶ないじめが発覚し、五輪の音楽制作担当を辞任した小山田圭吾さん(52)についての発言だ。この時は漫才ネタと実際のイジメとは異なり、小山田さんを擁護するのは許せない、とネットで激しい反発を浴びた太田さんだが、太田さんがこれから名誉ある役職を任された際に、過去のネタが掘り起こされ、辞任や解任に追い込まれてしまうのだろうか。
(リンク)
問題となった「ホロコースト」ネタ動画(ニコニコ動画)