東京オリンピックの競泳。選手の活躍以外で世界的に注目された出来事がある。オーストラリアの選手が金メダルを取った瞬間、コーチがマスクを剥がすように取り、雄たけびを上げ、強く腰を振り、アクリル板を股間で何度も突き上げた。その動画が世界に拡散、一躍人気者になった。
日本でも話題になり、その流れで、注目されるべき出来事に日本人が気付くことになる。それは日本に対する「ありがとう」だった。
「電池が切れる」ことはなく24時間選手を思う
話題の人となったのはオーストラリア競泳代表のディーン・ボクソール(Dean Boxall)コーチ(43)。2021年7月26日の女子400メートル自由形で、アリアン・ティットマス(Ariarne Titmus)選手が最大のライバル、アメリカのケイティ・レデッキー(Katie Ledecky)を破り金メダルを取った。ケイティ選手が1位でゴールするとディーンコーチは狂喜乱舞した。このコーチは「オーストラリアのロックスター」の異名を持つ。南アフリカ生まれ、20年以上水泳のコーチを務めていて、担当する選手が勝っても負けても情熱的。「電池が切れる」ことはなく、全ての人生を選手育成に捧げ24時間選手の事を思っている。そして感情が爆発する。金メダルのケイティ選手がインタビューで、コーチについて質問されると「いつものこと」と笑っていた。日本でもこのパフォーマンスが「オリンピックの熱気が伝わってきた」、などと話題になり、オーストラリアへの注目度が高まった。それである情報に行きつくことになる。それはオーストラリアの選手村に掲げられた2本の垂れ幕だった。
「真に国を代表して来ている方たちなんだな」
選手村の垂れ幕や横断幕と言えば、韓国選手団が掲げ大問題になった「反日」アピール。こちらばかりに気持ちが行っていたが、実は、オーストラリアも垂れ幕を出していたのだ。その2本の垂れ幕には、オーストラリアから日本へ「心より感謝いたします」「THANKYOU」と書かれていた。実はこの垂れ幕、オーストラリア五輪委員会が7月17日に公式Twitterで紹介していたもの。あまり注目されなかったが、コーチが激しい腰振りをした翌日7月27日、時事通信が記事を配信した。Yahoo!ニュースなどにも掲載され、ヤフコメには、
「うれしい気持ちとともに、何というのか、真に国を代表して来ている方たちなんだな、という感じがします」
「選手の皆さん、頑張って!そして少しでも日本滞在を楽しめますように!!」
「オーストラリアには本当に感謝してます。数々の某国の日本に対する侮辱をサラッと動画とかで払拭してくれてる 本当にありがとうございます」
「世界中の国々で、スポーツに係る競技相手国への礼や尊重や応援があることはとても尊くて、今後も大切にしていきたいです」
などといったコメントが付いている。
(リンク)
ディーン・ボクソールコーチの腰振り動画(オーストラリア五輪委員会公式Twitter)
https://twitter.com/AUSOlympicTeam/status/1419488700069683201
選手村に下げられた「心より感謝いたします」垂れ幕(オーストラリア五輪委員会公式Twitter)
https://twitter.com/AUSOlympicTeam/status/1416244398875025412
「おもてなしに『サンキュー』豪、五輪選手村に巨大垂れ幕(時事通信)