高市早苗衆議院議員(60)が、自民党総裁選への出馬を表明。菅義偉首相(72)の不出馬表明直後、安倍晋三前総理(66)が高市議員支持の意向を示した。これは予定されたレール上の出来事だった可能性が出てきた。

もともと菅政権は安倍政権を引き継ぐものとして誕生し、菅首相の任期は次の総裁選までとされ、その先は未確定だった。安倍前首相は自分の後継として、かつて自身が総務大臣に任命した高市議員に白羽の矢を立てていた。それが二人の「こっそりと行われた勉強会」だ。

著書「美しく、強く、成長する国へ」安倍イズムを盛り込む

2021年9月2日に「虎ノ門ニュース」に出演した高市議員は、安倍前首相との関係をこう語った。

「今年2月から二人だけの勉強会を重ね、政策を作り上げてきました」

この勉強会は「かなりこっそり」行われたという。内容は、安倍政権が積み残した消費者物価前年比上昇率2%達成の「物価安定目標」。講師に招いたのは、これまで官邸に関わりが無かった学者や経済人で「技術や現場が分かる人」。2月から7月にかけ毎週行われ、週に2回開くこともあった。高市議員が近く出版する著書「美しく、強く、成長する国へ。ー私の『日本経済強靱化計画』ー」には、こうした安倍前首相との勉強会が生かされているという。そして勉強会が終わった7月下旬、高市議員は安倍前首相に強く総裁選出馬を請うた。

「安倍前首相が出ないならば私が出てやる!」

「毎週お会いする度に(安倍前首相が)みるみる元気になられるので、『あとワンチャレンジ、総裁選に出てもらえないだろうか』とお願いしたんですが、『体調を崩して大変な中、菅さんが引き受けてくれた恩があるから、菅さんを応援する以外の事はできない。絶対に出ません』と言われました」

高市議員が総裁選出馬のきっかけで知られているのは「安倍前首相が出ないならば私が出てやる!」。番組ではこのほかに、無風で菅首相の当選・続投が決まると、党内の信任が得られにくいため、対抗馬が必要。党内が膠着している状態なので、活気付けたい、と語った。ところが、この放送の翌日の3日、菅首相は党総裁選不出馬を表明する。そして4日、安倍前首相が高市議員支持を支持する意向を示した。安倍前首相は党最大派閥の細田派(96人)。そして第二派閥の麻生派(53人)も高市議員支持と伝えられている。先の高市議員の新著の帯には「初の女性首相へ」と赤い大きな文字で書かれている。こうした流れは、高市議員を初の女性首相にするレール上のことだったのだろうか。

 

(リンク)

虎ノ門ニュース(2021年9月2日放送)

https://www.youtube.com/watch?v=W-zvwwThPGc&t=4596s