日本で「ピアノ界のキムタク」と言われた中国の世界的ピアニスト李雲迪 (ユンディ・リ)さん(39)が、売春の疑いで逮捕されたと中国の複数のメディアが2021年10月21日に報じた。
中国音楽家協会は「きわめて反社会的な影響」と、李さんを除名。ネット上の李さんに関する動画や写真が次々と削除されており、音楽家生命が絶たれた形だ。海外のメディアは「何かの見せしめではないか?」と報じるものもあるが、いったい何が起こったのか。
料金は1回1万元(約17万8000円)との情報
李さんは18歳の2000年に世界的権威のある「ショパン国際ピアノ・コンクール」で中国人として初めて優勝。その名前を世界に轟かせた。甘いマスクから「ピアノ王子」と呼ばれ、日本では木村拓哉さん(48)に似ていることから「ピアノ界のキムタク」と呼ばれた。そんな地位も名誉もお金もあり、さらにイケメンな李さんがなぜ売春で逮捕されてしまったのか。
中国のメディアによれば、警察に北京市三里屯近くにポルノのコミュニティがあるとの民間人からの通報があった。警察はそのコミュニティを封殺し、利用者の連絡先を調べたところ、李さんが見つかった。北京の首都空港のT2ターミナルに李さんが到着することを知り、首都空港で李さんを直接捕らえた。李さんは事実を認めた、となっている。また別の報道では、首都空港に降り立った李さんがコミュニティに向かう後を追跡し、「行為」に及んでいる最中に逮捕した、となっている。相手の女性(29)も逮捕された。料金は1回1万元(約17万8000円)との情報もある。
「完全な冤罪なのか 政治的意図があるのか」
BBCニュース日本語版(10月23日配信)は、
「中国当局が芸能界への締め付けを強化する中で、李氏が他の『不道徳』な有名人への『みせしめ』として、拘束されたのではないかという意見もある」
と報じた。日本でも、何か裏があるのではないかと想像する人も多い。中国系カナダ人、ブルース・シャオユー・リウさん(24)が「ショパン国際ピアノ・コンクール」で優勝した日と被ることも不思議の一つで、
「本当なのか 別件逮捕なのか 完全な冤罪なのか 政治的意図があるのか」
「売春って、某組織が『政治犯を作る』時によく用いる罪だと、、、」
「欧米に由来する権威を否定したいということかと思う」
といった「冤罪」の可能性を考える人も多い。一方で、李さんは芸術家としては既に終わっていて、生活が乱れたことでこういうことになったと想像する人も多いのだ。というのも、2015年前後から李さん評価がガタ落ちになっている。有名なのは2015年の韓国公演だった。
指揮者にミスがあるようなジェスチャー
韓流・韓国芸能ニュース「Kstyle」が2015年11月2日に配信した記事によれば、10月30日の公演で、交響楽団がカバーできないほどのミスを連発し、演奏が中断するというあり得ない事態が起きた。弾くはずの部分を弾かず、後に、完全に違う部分を弾いた。しかも指揮者が演奏を中断すると、指揮者にミスがあるようなジェスチャーをした。演奏後は体の調子が悪いことを理由にサイン会をキャンセル。しかも関係者に挨拶も無く帰って行った。観客は謝罪や説明の無い、誠意の無い李さんの態度に怒り、払い戻しを要求する人も出た。
「演奏を台無しにしたことよりも、その後の彼の態度とプロらしくない対応が問題になった」
と記事には書いている。その後の李さんは、演奏ミスが多い、演目がいつも同じ、「過去の輝きが失われた」と言われ、審査員として登場してもスマホばかり弄っている、挨拶をしない、女性スキャンダルが数多く出る、など良くない話しばかりが目立った。中国の公安による「冤罪」なのではなく、「堕ちてしまった天才」の末路と考えている人もいる。
(リンク)
李雲迪Instagram
https://www.instagram.com/yundimusicofficial/
Kstyle「来韓公演での態度が問題に…ミス連発&サイン会ドタキャンで批判を受けた有名ピアニスト」