性被害を訴えたジャーナリストの伊藤詩織さん(32)。事実と異なるイラストをTwitterに投稿した漫画家と、それをリツイートした男性2人に計770万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は名誉棄損に当たるとし3人に計110万円の支払いを命じた。
それを朝日新聞が、「リツイートによってイラストはネット上に残っている」と書いたことで混乱が起きた。漫画家のTwitterは利用停止になったため、リツイートは消えているはずだからだ。
「それリツイートじゃなくない?」
今回の訴訟は、漫画家のはすみとしこさん(43)が「枕営業大失敗!!」と書き添えたイラストをTwitterに投稿。男性2人がコメントを付けずにリツイートした。判決では虚偽の被害を訴えていると知らせるもので、伊藤さんの社会的地位を低下させた。リツイート行為も、本人自身の発言と理解するのが相当、とし、賠償を命じたというもの。これについて朝日新聞は11月30日、伊藤さんの言葉として、
「はすみ氏のアカウントは停止されたが、リツイートによってイラストはネット上に残っているとしたうえで、『リツイートする人は責任を持ってほしい』と訴えた」
と報じた。するとネット上で朝日新聞はTwitterを知らないのでは?と話題になり、
「それリツイートじゃなくない?仕組み理解してなくて草w」
「元のツイート消えたらリツイートも消えるぞ 事実誤認じゃね?」
「発信元の垢停止させてもリツイートの画像が残るとかいう謎理論は流石に草」
などといったコメントが掲示板に書き込まれた。
裁判官はSNSの機能や構造を理解してる?
Twitterのヘルプセンターを見ると、「リツイート」についてこう説明している。
「作成者が削除したなどの理由で元のツイートが削除されたか、作成者のアカウントが削除または凍結されると、リツイートは表示されなくなります」
つまり、はすみさんのアカウントが利用停止になったとすれば、はすみさんのtweetはリツイート表示されない、という事になる。そのため、
「画像の転載がアウト、なら理解出来るんだけど 本当にリツイートもNGという判決だったの?」
「判事だの裁判官だのがちゃんとSNSの機能とか構造とか理解できてんの?」
という議論にも発展した。コメント無しのリツイートは単純にリンクを張っただけであり、そこに賛成、反対などの意志は分からない。一方で、リンクではなくコピーしたものを張り付けたとしたらそれは「転載」となり、意図的なものが発生する。朝日新聞が書いたように、利用停止になったTwitterの画像がリツイートによって表示されていたとすれば、それはリツイートではなくコピーに類するもの。そうなると判決も違ってくるのでは?と考えている人もいる。
(リンク)
朝日新聞「リツイートも『本人の発言』と認定 名誉毀損訴訟、伊藤詩織氏が勝訴」
https://digital.asahi.com/articles/ASPCZ62RMPCZUTIL01G.html
Twitter「リツイートについてのよくある質問」