江戸東京の歴史と文化を展示する東京都の「江戸東京博物館」がTwitterで、「吉原風俗図屏風」を紹介し、「煌びやかな遊郭の世界をご覧ください」と呟いたところ、遊郭を美化するのは辞めて欲しい、女性の命が使い捨てさえた場所だ、といった批判が寄せられ博物館は「不適切な表現だった」と謝罪した。
ところが今度は、煌びやかな場所だったのは事実、博物館側はいちゃもんに対し簡単に謝罪するな、といった批判が博物館に向けられた。
「このツイートをした人は学芸員?」
「江戸東京博物館」は2021年12月6日にTwitterで、「吉原風俗図屏風」の写真をアップし、
「元禄期の吉原の風物を描いた『吉原風俗図屏風』。吉原は歌舞伎やドラマ、漫画でも題材となることが多く、最近ではアニメ #鬼滅の刃 遊郭編 の舞台にもなっています。煌びやかな遊郭の世界をご覧ください。江戸ゾーン芝居と遊里コーナーにて12月19日(日)まで展示」
と呟いたところ、遊郭にあったのは女性への性暴力と搾取と虐待と若くしての死、文字通りの女性の命の使い捨ての場所だ、とか、男性の享楽目線の物言いであり女性の人権を蔑ろにしている、などと批判が出て、
「このツイートをした人は学芸員? 少しでもかけらでも遊郭の研究に触れたことがあるなら、『きらびやか』なんて形容詞使えないと思いますが。」
「遊郭の美化。きらきらエンタメ化。やっぱり鬼滅にかこつけてそれが行われてるでしょ 一番ダメなやつ」
「博物館さえ遊郭をそういう認識で捉えているなら、永遠におぞましい勘違いは続き、歴史は繰り返す」
といったリプが博物館のTwitterに寄せられた。
謝罪し事実を曲げるのは如何なものか
これを受け博物館は11月8日、
「当館の展示では吉原が江戸文化の形成に大きな役割を果たした『表』の面と経済的な理由から身を売らざるを得なかった遊女たちの苦しい実像という『裏』の面、両面を紹介しています。12月6日の『吉原風俗図屏風』を紹介したツイートで『煌びやかな遊郭の世界』の表現は不適切でした。お詫び申し上げます」
と謝罪した。これに対し、今度は「煌びやか」な一面があったのは事実であり、いちゃもんになぜ簡単に謝罪するのか、それこそ歴史の改竄ではないか、といった多くの批判がネット中に拡散することになった。
「煌びやかであった事実は事実なので、一部のノイジーマイノリティのポリコレのイチャモンに屈したのは、彼らをして言葉狩りの戦果に加えしめてしまったので、宜しくなかったと思います」
「ノイジーなマイノリティ相手に大変ですねぇ しかし、事実を曲げるのは歴史と文化を啓蒙する博物館として如何なものか」
「おい、謝るのはやめろ。相手がどんな奴か見分けられないような素人は公式として出てくんな」
などといったリプが博物館のTwitterに寄せられた。ネット全体を見ると、「「煌びやかな遊郭」という表現への批判よりも、謝罪したことに対する批判が圧倒的に多い。
(リンク)
「江戸東京博物館」公式Twitter
https://twitter.com/edohakugibochan/status/1468451510145392640