格闘家の朝倉未来さん(29)のお母さんが写真週刊誌「FLASH」に無断で写真を撮られ掲載された件で、朝倉さんは訴訟を起こそうとしている。この件で、弁護士の北村晴男さん(65)は、芸能人が名誉棄損で訴えても賠償金はせいぜい数十万円で赤字、イメージもダウンするため止めた方がいい、とした。メンタリスト・DaiGoさん(35)は違っていて、自分は名誉棄損の裁判で負けたことはない。賠償金は200万円~400万円取れた。訴えた方がいいと語った。どちらが正しいのか。

「芸能人は訴訟を止めた方がいい」と北村弁護士

北村さんは自身のYouTubeチャンネルを2021年12月10日に更新し、視聴者からの朝倉さんの法的措置に関する質問に答えた。芸能人の親族を無断で撮影することはプライバシー権の侵害、肖像権の侵害に当たる不法行為だとした。また、芸能人自身にはパブリシティー権(写真自体に経済的価値)もあり、写真週刊誌が芸能人を無断で撮影し掲載した場合は以上3つの不法行為となる、と語った。しかし、芸能人が訴えることはあまりない、とし、「芸能人が訴訟しない理由」について解説した。

理由の一つは、勝訴したとしても賠償金は数十万円がせいぜい。弁護士費用を差し引けばチャラかマイナス。だから面倒くさいのだという。二つ目はタレントのイメージがダウンする事。写真週刊誌に載ったくらいで訴訟を起こすなんて「変な人」だと思われてしまう。社会のため、相手にダメージを与えるため、違法行為と知ってもらうため、に戦う意義はあるのだけれど、

「個人的には訴訟をしても何のメリットもないと考えます。私が相談されても、マイナスしかないですよ、止めた方がいいですよと言います」

とした。

しょうもないネット記事でも賠償200万円

一方、週刊誌の訴訟に詳しいとされているメンタリスト・DaiGoさんの元を朝倉さんが訪れた。その動画が、12月16日に朝倉さんのYouTubeチャンネルで公開された。DaiGoさんは朝倉さんの話を聞き、朝倉さんとお母さん両者が個々に訴えることが可能とし、訴訟することを勧めた。社会的な意義があるのはもちろんだが「儲かるから」だ。自分は週刊誌との裁判で負けたことは無いとしこう語った。

「しょうもないネット記事とかでも、名誉棄損で200万円取れる。ネット記事出る度に『ごちそう様』って(笑い)」

優秀な弁護士がDaiGoさんに付いていて、一回の訴訟で200万~400万円取ってきた。次々に訴訟してきたため、最近は自分に関する記事を誰も書いてくれなくなった、と笑った。ただし、これは顧問弁護士のいる芸能人か、有名YouTuberなどの発信力がある人限定。一般の人が訴訟をしても裁判が長引き「あまり儲からない」。訴訟をするくらいならその時間を自分の仕事に費やしカネを稼いだ方がいい、との考えがあるのはもっともだ、とした。

週刊誌と芸能事務所はある程度繋がっている

DaiGoさんは「芸能人が週刊誌をなぜ訴えないか」についても語った。まず、週刊誌は芸能人に関する嘘を書きまくるが、訴えられるリスクは織り込み済みで、400万円の賠償を払っても儲かるようになっている。訴えられなかったら丸儲けになる、としたうえで、

「芸能人が訴えたいと言うと所属事務所が止めるんです。週刊誌と事務所はある程度繋がっている」

と語った。本当にヤバイ記事であれば、掲載される前に事務所が週刊誌に働きかけ止めてくれる。その見返りとして別の情報をリークする。例えば絶対に記者が遭遇しないはず、と思われる現場の写真が撮影される。それは事務所のリークで撮影が行われた可能性が高い。また、芸能人が結婚の相談を事務所にした場合、まだ結婚させたくないと事務所が判断すれば、事務所が週刊誌にそれをリークすることで、結婚を潰すケースもあるという。北村さんとDaiGoさん、どちらが事実に近いのだろうか。

 

(リンク)

北村晴男弁護士YouTubeチャンネル「芸能人と週刊誌の関係」

https://www.youtube.com/watch?v=sTHurb1zpMM

 

朝倉未来YouTubeチャンネル「週刊誌と戦いまくりのメンタリストDaiGoさんに話を聞いてみた」

https://www.youtube.com/watch?v=hNibhRFB3M0