大手旅行予約サイトの「GoToトラベル」キャンペーンに異変で起きた、とネットで騒動になっている。一人1泊あたりの割引が最大1万4000円(最大35%OFFクーポン)だったのが、10月10日以降は最大割引が3500円に大幅ダウンしている、というのだ。

実はこれ、予約サイト側の「陰謀」や、政府の不手際ではない。真相を詳しく解説する。

 

観光庁「交付した給付金予算を各社が使い終わった、ということ」

 

2020年10月1日から「GoToトラベル」事業が本格稼働したにも拘らず、「Yahoo!トラベル」「じゃらん」「一休.com」といった大手サイトが10月10日以降の予約は一人1泊あたり最大3500円に制限する、と発表しネットが混乱した。

なぜそうなったのか、

「一休.com」は、

「Go To Travelクーポンを多くの方にご利用いただくため」

とした。

「楽天トラベル」は、「GoToトラベルキャンペーンクーポンご利用条件変更に関するお知らせ」として、35%OFFクーポンは引き続き発行するが、

「1月までのご旅行で使える最大35%OFFクーポンは、配布枚数上限に達したために終了致しました。既に獲得済みの場合もご利用出来なくなりますので、ご注意ください」

といった告知を10月9日に出した。何が何だか意味が分からない。

 

NNJニュースが10月12日に「GoToトラベル」事業を推進する観光庁に話を聞いたところ、

「旅行サイトが割引率を大幅に下げたのは、GoToトラベルを進めるうえで交付した給付金予算を各社が使い終わった、ということです」

と担当者は説明した。まだ使い終わっていない旅行サイトは最大1万4000円引きを継続しているはずだという。

 

そもそもこの「給付金」、各旅行サイトが受け取るには、事前の申請が必要だった。その申請に基づいて観光庁が各社の事業規模などを審査し、各社ごとに「給付金額」を決める。10月に入って予約が殺到したため上記の旅行サイトが受け取った「給付金」が底を突いたため、急遽、大幅割引の停止を告知したわけだ。

 

JR東海ツアーズや瀬戸内海汽船はしっかりと理由を説明している

 

ちなみに、JR東海ツアーズは、

「GoToトラベル事務局から当社に割り当てられた給付金枠に達したため、大変申し訳ございませんが、現在、GoTo割引対象としての販売を見合わせています」

と明確に告知をしていて、瀬戸内海汽船も9月24日、

「GoToトラベルキャンペーン支援対象商品につきましては、GoToトラベルキャンペーン給付額の当社の予算に到達した為、割引販売での受付を終了とさせていただきます」

と発表している。上記の旅行サイトもこのように説明すれば、今回のような混乱は避けることができたはずだ。

 

今回の給付金は「GoToトラベル」をロケットスタートさせるための「燃料」のようなもの。第二弾があるのかどうかは分からないが、加藤勝信官房長官は12日の記者会見で、今回の騒動に触れ、

「GoToトラベル事業を円滑に進めるため、観光庁で対応を検討している」

とだけ話している。

 

(リンク)

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