安倍晋三元首相(67)がテレビ番組に出演し、アメリカの核兵器を日本領土内に配備する「核共有(ニュークリア・シェアリング)」を議論すべきだと語った。

ウクライナの核放棄で侵攻が始まった

安倍元首相が出演したのはフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(2022年2月27日)。ロシアのウクライナ侵攻についての議論で、敵基地攻撃能力に関する教訓を得なければならない、自分の国は自分で守るという決意と防衛力の強化、そして同盟国との関係を強くする、ということが決定的に必要だとした。教訓というのは、国連安保理事国が当事者(今回はロシア)であった場合国連は機能しない。ウクライナは「ブダペスト覚書」で核を放棄し、領土の安全性と独立的主権が保障されたはずなのに、侵攻が始まった、というもの。

現実に日本の国民の命を守るということ

弁護士の橋下徹さん(52)が安倍元首相に対し、次の参議院選挙で日本は核を持つのか、持たないのか、日本の防衛について国民に問うて欲しい、と意見すると安倍元首相は、核の話をすると激しい反応が起こるが、世界はどのように安全が守られているか議論をすべきだ、とした。日本国民にはあまり知られていないが、例えば北大西洋条約機構(NATO)においても自国にアメリカの核を置くドイツ、オランダ、ベルギー、イタリアなどの国がある。被爆国として核を廃絶する目標を掲げることは大切なのだが、

「現実に日本の国民の命を守るということについては、様々な選択をシェアに入れながら議論することが必要だ」

と語った。