ロシアの有名クロスカントリースキーヤーで、2014年ソチ五輪クロスカントリー男子で銅メダルを獲得したイリヤ・チェルノウソフ選手(35)が、プーチン大統領(69)との2ショット写真を公開。「Z」で始まる文章を綴ったことで「ヒトラーの隣でポーズを取るのか!」と炎上した。
ところがチェルノウソフ選手、現在はスイスに市民権を持ち、奥さんと暮らしている。西側諸国の情報を得ているはずだから、「ロシアに脅された?」といった穿った見方も出ている。
「これは愛国心ではなく、ただのバカ!」
チェルノウソフ選手がInstagramに投稿したのは2022年3月13日。文章は「Zа спорт. Za мир!For sport. For peace」(スポーツのために、平和のために)となっている。もともとロシア語に「Z」は無く、ウクライナ侵攻から突然使われるようになった。「Z」には西側諸国の「Zapad」を指しているとか、ウクライナのゼレンスキー(Zelenskyy)大統領を表しているなど諸説ある。ロシア国防省が「Za pobedu」とFacebookに投稿していることから、「この戦争に勝利を!」というのが一般的解釈だ。チェルノウソフ選手のInstagramのコメント欄には、
「どう思っているんですか?ヒトラーの隣でポーズを取ることを!」
「これは愛国心ではありません、ただのバカです!」
「よくもそんなことができるな。あなたの隣の男のせいで子供たちは死にかけています」
「何千人ものウクライナ人、そしてロシア語を話す人々がプーチン戦争のために亡くなりました」
「全てのスポンサーが離て行き、そこであなたが理解できることを願っています」
などの批判が押し寄せ炎上中だ。しかし、疑問を投げかける人もいる。
「これはあなたの意志でやっていることなのですか?」
スイスはロシア制裁でウクライナ支援
というのも、チェルノウソフ選手の奥さんはセリーナ・ガスパーリンさん(37)。ソチオリンピック女子15km個人で銀メダルを獲得したスイス人だ。チェルノウソフ選手は現在、スイス市民権を得て奥さんと暮らしている。スイスは中立国でありながら2月28日、欧州連合(EU)と同じ内容の対ロシア制裁を科すと発表、現在もウクライナを支援している。当然ながらチェルノウソフ選手は今回のロシアによるウクライナ侵攻について、西側諸国の情報を得ているはずだ。こうしたことからネット上では、意見が大きく2つに分かれることとなった。一つはこれがロシア人の好戦的な真の姿。あくまでプーチン大統領を支持し、ウクライナ侵攻を正当なものだと思っている。スイス政府に反旗を翻したわけだから「市民権を剥奪せよ!」という意見もある。もう一つは、何らかの圧力で「やらされている?」と、行動を疑っているのだ。独裁国家は政府批判は絶対許されず家族も同罪になる。そして国外にいたとしても脅迫と強制が待っている。「敵国」スイスに住んでいるということで、より強い国家への忠誠を求められているとしたら、、、
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イリヤ・チェルノウソフ選手Instagram