ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(44)が、ウクライナのメディアに動画をアップし、「私たちの軍事努力は失敗した」と、武器を置き家族の元に帰るよう国民に呼び掛けた。自分も逃げて生き延びるという。
この動画はネット上に拡散したが、もちろんフェイク動画。FacebookなどSNSは同フェイク動画の削除に乗り出した。ゼレンスキー大統領はこれを受け「私たちは守り抜き、武器を置くことはない」と語った。
ニュースチャンネルがハッキング
ゼレンスキー大統領のフェイク動画は2022年3月16日、ウクライナのニュースチャンネル「24 Канал(24TV)」のウェブサイトで公開された。
「私が大統領を続けるのが難しいのは明らかだ。この戦争における軍隊の努力は失敗に終わったからだ。ドンバスはロシアに返還する。みなさんへのアドバイスは武器を置いてあなたの家族の元に戻ること、生きること。この戦争で死ぬ価値はない。私も同じことをするつもりだ」
と語った。しかし、画像は荒く、首と胴体の部分が異なるように見え、声も低く違う声のように聞こえた。この動画、人工知能(AI)による「ディープフェイク」という技術で作られたもの。「24TV」はすぐさま、ハッキング被害に遭ったことを明らかにした。しかしSNSでの拡散は止まらなかった。
「勝利するまで武器を置くつもりはい」
FacebookとTwitter社はこの動画を削除することを表明。Facebookを運営するMetaのセキュリティポリシーの責任者、ナサニエル・グレイシャー氏はTwitterで、
「この動画をすばやく確認して削除し、他のプラットフォームの同業者に通知しました」
と報告した。これを受けゼレンスキー大統領は3月17日、こうした挑発行為は幼稚だと非難。3月17日にInstagramに動画を公開した。武器を放棄すべきなのはロシア軍兵士だけであり、
「私たちはすでに家にいます。自分たちの土地、子供、家族を守るためです。私たちは勝利するまで武器を置くつもりはありません」
と語った。
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(リンク)
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領Instagram(動画アリ)
https://www.instagram.com/p/CbKYM_Zg2jo/
Mikael ThalenさんのTwitter(動画アリ)