2人で訪れたラーメン店、先に完食した人は1人を残して店を出るべきか。そんな論争がネット上で勢いを増している。しかしその元ネタ、様々な勘違いと思い込みから生まれていて、一般論では片づけられないものだった。

元ネタとなったツイ主は当該ツイートを削除、「お騒がせ致しました事大変申し訳ございませんでした」と謝罪した。舞台となったのは独特なルールがあることで知られる「二郎系」ラーメン店だったのだ。

食事中の娘が追いかけてきた

発端は福島市にある接骨院の院長のこんなツイートだ。

「娘と二人でラーメン店に行き、自分が先に完食した。すると店員に店を出てほしいと言われた。娘がまだ食事中だと断ったがダメだった。しょうがなく店から出ると、食事中だった娘が追いかけてきた」

というもの。ツイ主は飲食店に関する投稿が多く、個人的な評価をそれぞれ行っている。同ラーメン店については、店の名前を晒して、

「家族連れでの訪問はまったくオススメできません とても気分が悪い」

と評価した。ネット上では店員が子供とその保護者を引き離したことに注目が集まり、「酷過ぎる!」「客を物扱い!」とラーメン店への怒りが爆発。ここから「一人を残して退店すべきなのか論争」が勃発する。ところがである。

誰かとゆっくり食べる店ではない

ツイートの背景が明らかになる。小学生くらいの小さな娘さんと多くの人は思っていた。ところが娘さんは高校生だった。そして、そのラーメン店は、大盛りでお馴染みの「二郎系」。女子高生は小盛を頼んだ。同系ラーメンを初めて食する人を「二郎系デビュー」ともいい、店には独特なルールが存在する。その店に当日居合わせ目撃したという人も現れ、Twitterでこう報告した。親子が来店した時間帯は昼の繁忙時。7~8人の行列ができている激混み状態。保護者は食べ終わったのにずっと居座っていた。店員はすまなそうに声掛けをしていた。

「そもそも二郎系って誰かとゆっくり食べるものではないと思いますが」

これで風向きがガラリと変わる。「一人を残して退店すべきなのか論争」ではなく、店の特徴や状態を考えず「一方的に店名を晒し評判を貶めた」というツイ主批判の勢いが増した。

店の約束を守れない客はお断り!

運営する接骨院のレビューに突撃し、最低評価を付ける人も現れた。ツイ主は2月1日、

「皆様へ お騒がせしてしまった事につきまして 大変申し訳ございませんでした お詫びいたします」

と謝罪。苦情が収まらなかったため、9日、10日とTwitterに再度謝罪文を掲載した。10日は院長名義で、

「皆様からの様々なご意見を真摯に受け止めさせて頂きまして 自身にて気持ちの整理がつきました為 投稿を削除させて頂きました 今後は言葉の選び方等 気を付けて参りたいと思います」

とした。「二郎系」の店の中には「ルールに賛同いただけない場合はお店に来ない事」とキツい張り紙を出しているところもある。「ラーメン二郎」に心酔している人たちのことを「ジロリアン」と呼ぶ。

 

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