コロナ禍の中での東京オリンピック開催反対の声は大きい。東京都など緊急事態宣言の延長も五輪開催のためで、経済、人命を蔑ろにしてまで開催するのはなぜか、という疑問が出ているが、ネットでは「電通の利益と引き換えに日本を落とす」というトンデモ理論が噴出することになった。

中止になった場合は「全額」電通が払い戻し

きっかけとなったのは共同通信が2021年5月11日に配信した「香港、電通から五輪放映権」という記事。林鄭月娥行政長官が11日の定例記者会見で、東京五輪の香港でのテレビ放映権を電通から買い取る契約を結んでいる。

「東京五輪がコロナ流行の関係で取り消しになった場合は全額払い戻しを受ける」

と書いている。

この記事をきっかけに電通が2015年7月29日に発表したニュースリリースが掘り起こされた。そこには、スポーツマーケティング事業を積極的に推進していくため、

「国際オリンピック委員会(IOC)からオリンピック競技大会の放送権を取得いたしました」

と書いている。放映権を販売するのはアジア22カ国・地域。2018年・2020年・2022年・2024年大会の放送権を取得した、としている。2020年は東京オリンピック、2022年は北京冬季オリンピックを指す。

国民の生命と安全を守るため五輪は中止に

Twitterや掲示板には、

「ワイら電通様の存続のためにコロナ渦の犠牲になれと言われてたんか 許せんなぁ」

「電通が倒産してもいっこうに構わない。国民の生命と安全を守るための中止は躊躇すべきでない」

「電通が潰れる可能性が高いなら、何がなんでもオリンピック中止にさせなきゃな」

という声が出ている。

日刊ゲンダイが12日に配信した「東京五輪『中止論』拡大の裏で熾烈 広告代理店『損得勘定』の内幕という記事の中に、

「莫大な広告収入を確保すべく、是が非でも中止させない働きかけが電通からなされているさなかではないか、という」

という記述がある。

とにかくネット民にとって電通は評判が悪く、競泳の五輪代表・池江璃花子選手(20)も「電通案件」などと呼ばれ批判に晒されている。東京五輪のゴリ押しは電通の利益確保だけではないが、どうしても電通が注目されてしまうようだ。

 

(リンク)

「香港、電通から五輪放映権」(共同通信)

https://this.kiji.is/764821866349019136?c=39550187727945729

 

電通のプレスリリース「電通、アジア22カ国・地域における、2018年・2020年・2022年・2024年のオリンピック競技大会の放送権を取得」

https://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0729-004107.html