厚生労働省による家庭内での子供への「体罰」実態調査によれば、半年以内にしつけ名目での体罰が1回以上「あった」と答えた人は33.5%いた。また、「体罰は場合により必要」とする容認派が41.7%いた。
こうした報道にネットでは「どこまでがしつけで体罰か分からない」「こんな調査は意味がない」という声が噴出している。
「子どもの言動にいらいらする」親が体罰?
2020年4月に体罰を禁止した「改正児童福祉法」が施行され厚労省による初めての調査となる。同年11月から12月にかけ全国5000人の一部祖父母らを含む親に聞いた。具体的行為では、「尻や手の甲をたたくなど物理的罰を与える」(28.4%)、「怒鳴ったり『だめな子』などと否定的言葉を言ったりして心理的に追い詰める」(28.1%)などがあった(複数回答)。体罰の頻度が比較的高い人は「しつけに周囲のプレッシャーを感じる」「子どもの言動にいらいらする」という。法律が改正されたことを「内容まで知っている」は20.3%。「聞いたことはあるが詳しい内容は知らない」「知らない」を合わせて79.7%だった。
法律改正は、児童虐待の相談対応件数が増加し、子どもの命が失われる痛ましい事件が続いたことで行われた。厚労省は、
「体罰により子どもの行動が変わるのは恐怖心等によるもので、考えて行動した姿ではない。成長の助けにはならず、心身の発達等に悪影響を及ぼす」
「しつけとは、人格や才能等を伸ばして自律した生活を送れるようにすること。体罰で押さえつけるのは目的に合うものではなく、許されない。言葉や見本を示すなど、本人が理解できる方法で伝える必要がある」
と法改正前に伝え、「体罰が許されないものであることを法定化した」
としている。
「事件」としつけは別の話し。安易に体罰だの虐待だの言わないでもらいたい!
しかしこうした調査に戸惑う人がいる。しつけと体罰の差が分からない、というのだ。児童虐待が社会問題化しているが、それは「事件」でありしつけとは別の話し。思わず大声を出したり叩いたりもするけれど、普通の親なら行き過ぎを反省する。掲示板には、
「そんな綺麗事で子育てはできません」
「虐待の親は『虐待したことない』って答えてると思うよ。はっきりいって、意味のないアンケート」
「じゃあ1週間うちで暮らしてみるかい?悪魔の3歳児どころか、魔王の3歳児だぜ」
「どんなに言い聞かせても理解してくれない子どももいる。どうしようも無くなって最終手段として叩くこともある。安易に体罰だの虐待だの言わないでもらいたい」
などといったことが書き込まれている。
(リンク)
厚労省「体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に~」