レジ袋が有料化されたのは日本学術会議のせいーーー2020年10月8日からネット上はこの話題で盛り上がり、日本学術会議への批判が殺到し「炎上」状態になっているが、なぜか9日になって「レジ袋有料化はアベのせい」「日本政府のせい」と主張する勢力が湧いて出てきた。

 

日本学術会議が自らの「功績」としてレジ袋有料化のきっかけを作ったと明言した

 

「レジ袋有料化は日本学術会議のせい」と「炎上」したのは、9月8日に東京新聞が配信した記事からだ。日本学術会議の大西隆元会長の寄稿文で、見出しが、

「レジ袋有料化も学術会議の提唱がきっかけ」

となっていて、大西元会長の、

「微細なプラスチック片が分解されずに海に滞留し、摂取した魚、さらに人に害を及ぼすから、プラスチックの利用を大幅に削減しようというキャンペーンが、レジバッグ有料化やマイバッグ携帯につながった。このきっかけの1つは学術会議が海外の学術会議と手を携えて行った提唱であった」

という文章が綴られている。

 

とにかくレジ袋の有料化は評判が悪い。特にコンビニに行った際に「袋どうしますか?」と聞かれて戸惑う人が多く、店員さんが袋詰めしてくれることに慣れている人がマイバックを持っていき、店員さんの前で買った商品を自分で詰めることに違和感を持つ、という声もある。

そういった人々が鬱積した思いをぶつける格好のターゲットが現れたわけだ。それにしても、内部体制や活動などに疑問を持たれている最中の日本学術会議が今、自らの「功績」としてレジ袋有料化を出して来た理由がよくわからない。

 

ところが9日になって、ブログなどで、レジ袋の有料化の責任を日本学術会議に押し付けようとするのは間違いだとし、「レジ袋有料化はアベのせい」「日本政府のせい」と主張する勢力が湧いてきたのだ。

 

「きっかけの一つ」に過ぎず決定し実行したのが安倍政権である

 

その反論は、

・日本学術会議は国に対して使い捨てプラスチックの生産・使用を減らすことを求めたが、レジ袋についての言及はない

・提唱はしたが「レジ袋の有料化」を決めたのは安倍政権

・「きっかけの一つ」に過ぎないのに日本学術会議に全責任を押し付けるのは間違い

といった主張だ。

また、レジ袋有料化の遠因を作ったのは事実かもしれないが、「提唱した」というのは事実とは異なる可能性がある。こうした「フェイク」が生まれたのは、得意気に話した大西元会長と、

「『レジ袋有料化も学術会議の提唱がきっかけ』という見出しを作った東京新聞に責任があるという話です」

と考えている人もいる。

 

(リンク)

「日本学術会議」“任命見送り”説明は? 菅首相 内閣記者会のインタビューに応じる YouTube 日テレNEWS