2021年6月3日午前10時半ごろに静岡県伊豆山地区で発生した土石流は、少なくとも130軒の家屋を巻き込み、4日までに女性2人の死亡と20人以上の安否が不明になっている。
今回の災害は記録的な大雨がもたらしたもの、と大手メディアでは伝えているが、メガソーラー(大規模太陽光発電)建設も一因ではないか、といった声が大きくなっていて、国会議員や地方議員もTwitterで関連性を訴えている。
被害地区の山頂に太陽光発電所を確認
太田けいすけ岐阜県垂井町議会議員は7月3日、Twitterで、熱海市伊豆山の土砂災害被害があった地区の山頂に、太陽光発電所があるのを確認した、と航空写真をアップ。
「太陽光発電所の存在と土石流の発生に因果関係があるか調査する必要があるでしょう。仮に因果関係があるようでしたら、生命財産に危険を及ぼすメガソーラー開発は直ちに法律または条例で規制すべきと考えます」
と呟いた。元環境大臣で静岡選出の細野豪志衆院議員も同日、Twitterで、
「伊豆半島にはメガソーラー(計画を含む)がかなりの数、存在する。熱海市に隣接する函南町でも山の中に巨大なメガソーラーが計画されていて、私は開発阻止で動いている。土石流とメガソーラーとに関連がなかったか、調査を求めて動く」
とした。
静岡県の難波喬司副知事は、熱海市の土石流被災現場の視察を終えた6月4日の午前11時近く、記者団の質問に答え、逢初川上流部の山林開発と土石流の関係について、
「開発の影響は正直に言ってあると思う。現場で見ているので、原因はかなり分かってきている」
とした。
メガソーラーに大規模土砂災害を引き起こす可能性
静岡県の伊豆高原には43haもの森林を伐採して建設が進められる「伊豆高原メガソーラーパーク」構想がある。既にいくつかが建設に着工している。建設の主体となっているのは韓国財閥系企業「ハンファエナジージャパン」(東京都港区)。住民の多くがこの建設に反対していて、2018年8月22日、伊東市八幡野の計画に反対する住民や国会議員(先の細野氏)、県議らが経済産業省に業者の資格取り消しを求める陳情を行い、その後、いくつかの訴訟に発展している。「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」のHPには、建設反対の理由として、
「森林が大規模に伐採され、造成工事とパネルの敷設で山の保水力が失われれば、大規模な土砂災害を引き起こす可能性が非常に高くなります。川の氾濫や調整池そのものの決壊など、災害発生のリスクと人災を引き起こす恐れを大きくするものです。しかも支援する会の調査によってこの巨大な調整池には、設計に不備があることも発見されており、このまま計画が進めば下流域に住む多くの住民の生命や財産が、重大な危険に晒される懸念があります」
と書かれている。
(リンク)
「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」HP
http://www.izukougen-ms.com/concept.html
細野豪志衆院議員Twitter
https://twitter.com/hosono_54/status/1411287811869667328
太田けいすけ岐阜県垂井町議会議員Twitter
https://twitter.com/keisukeota_gifu/status/1411207411772186628