東京都などが主催する東京オリ・パラ関連イベント「Tokyo Tokyo FESTIVAL」。2021年7月16日には、巨大な顔の気球が代々木公園で打ち上げられた。ビル6〜7階分という気球の顔のモデルは、1000人を超える応募者から選んだ実在人物。特に表情が無いため「不気味」だと話題になり、伊藤潤二さんの傑作中の傑作と言われる漫画「首吊り気球」を思い出した人が多数出た。
「漫画作品から影響を受けました」と言って欲しい?
この巨大な顔気球は、現代アートチーム 「目[mé]」が企画した《まさゆめ》というプロジェクト。「唐突に巨大な顔が東京の空に浮かぶ」それを目にすることにより、日常を一瞬無効化する。しかし人はそれを見ようとし、感性を持ってそれを捉えようとしなければならない。現在直面しているパンデミックの危機も、この困難と向き合い続け、何かを見出すし、想像を続けなければならない。それを表現するものだという。
ところが漫画ファンにとって、ある意味「見慣れた」ものだったようだ。それが伊藤潤二さんの不条理、シュール作品「首吊り気球」。内容は巨大な生首が首吊りワイヤーをぶら下げ人間に襲いかかり首を吊ろうとする。どんな巨大な生首なのか?襲われた主人公がそれを見たところ、虚ろな目をした主人公自身だった、というもの。
Twitterでは、
「代々木の気球、完全に伊藤潤二の首吊り気球で怖すぎるんだが…」
「……ん? 伊藤潤二さんの『首吊り気球』が現代アート認定されたのすか?」
「さっきインタビューを見たら、『奇抜なアイデアをカタチにした』みたいに言っているけど、『漫画作品から影響を受けました』と一言、言って欲しかった」
「話題になってる渋谷の首吊り気球、作った人は中学生の頃に見た夢をモチーフにしてるらしいけど、同じく伊藤潤二先生も小さい頃に見た夢からアイデアを得ていて面白いシンクロ」
などが呟かれている。
(リンク)
「首吊り気球」試し読み「BookLive!コミック(ブッコミ)」
https://sp.handycomic.jp/product/
index/title_id/491532/vol_no/079
現代アートチーム目 [mé]によるプロジェクト(prtimes)