NHKで2020年11月1日深夜に宮崎駿監督(79)の名作テレビアニメ「未来少年コナン」のリマスター版最終回が放送され、録画に失敗した人が大量に出たためネットが大騒ぎになった。
同日行われた大阪都構想の「住民投票開票速報」の放送延長が原因とされ、「NHKは酷すぎる!」といった恨み節がさく裂したが、たかだか放送開始が35分遅れただけで録画できないとは「いつの時代のレコーダーだよww」といった笑いも起きた。
録画は開始時刻・終了時刻の3時間までの変更に対応する
いつもなら「未来少年コナン」は0時10分から始まる。この日は午後9時50分からNHKは「大阪都構想 住民投票開票速報」を放送し、賛成票と反対票が拮抗したため開票速報が終了したのは11時30分だった。そのため「コナン」は35分遅れの0時45分スタートとなった。ネットでは、
「嘘でしょ!!?録画失敗してる」などと大騒ぎになり、ツイッターのトレンドワードも急上昇し大騒ぎになった。
しかし変である。例えばパナソニックのブルーレイレコーダー「ディーガ」には「番組追従機能」があり、
「毎日予約・毎週予約の番組も、開始時刻・終了時刻の3時間までの変更に対応します」
となっているため、35分程度の差なら楽に録画できる。ソニーの「番組追跡録画 」もデジタル放送を録画予約する場合は、
「番組を識別するIDを使って放送時間の変更を検出。録画の開始時刻と終了時刻を自動調整します」
とある。そもそも、録画に失敗したなど最近ではあまり聞かない話だ。この騒ぎに、録画が当たり前に出来たという人たちからは、
「VHSかよ?」
「そんな昭和のビデオデッキみたいなことがあるのか?」
「うち7-8年前のBDHDレコーダーだけど。番組予約したら、時間帯変更になっても勝手に変更して予約してくれるぞ?」
「ハードディスクが突然死する前に買い替えましょう」
といった笑いが起きた。録画ができなかった人たちは「NHKのせい」「最終回の再放送をしろ!」といった怒りをNHKにぶつけた。
NHK「通常通りの手順を踏み放送をしていました」
録画ができなかった人の中には比較的新しいレコーダーを持っている人も多い。なぜこうなったのか、NNJニュースが11月2日の昼にNHKのサポートセンターに話を聞いてみたところ、
「番組延長に際し、今回も通常通りの手順を踏んで番組の放送を行っておりますので、なぜ『未来少年コナン』を録画できなかった人が多くいるのかはNHKとしては分からない、というのが実情です。おそらく予約録画の設定方法か、録画機自体に何らかの問題があったからではないでしょうか」
と話していた。
このNHKの話から分かるように、録画ができなかった理由は、まず、レコーダーが同時に2番組以上を同時録画できない仕様の場合だ。「コナン」を毎週録画登録していて、そのあとに他チャンネルの「コナン」の放送終了後の番組を録画予約していたとすれば、2番組の放送が重なり「コナン」は録画されない。
うちのレコーダーの番組表は「コナン」が表示されなかった
もう一つは、レコーダーからテレビに映し出される電子番組表 (EPG) だ。一般的にEPGから予約録画するわけだが、ソニーの公式HPには「番組追跡録画 」ができない場合として、
「時間変更の情報が電子番組表 (EPG) に反映されていない場合や、『番組追跡録画』 のアルゴリズム (追跡アルゴリズム) でも判別できない番組変更 (放送時間、番組名変更など) には対応できません」
と書いている。今回はこのEPGが関係していて、EPGに「コナン」が掲載されていなかったことで、レコーダーが録画できなかったのだろう、という意見がもっぱらなのだ。掲示板には、
「延長になったタイミングで(コナンが)番組表(EPG)から抹消されてしまった。抹消されたままで放送開始1分前ぐらいで(EPGに)復活したら多くの録画機は追っかけ対応ができなかったと思う」
「うちのレコーダーの番組表(EPG)は時間になってもコナンにならず、結局手動で録画することになりました」
などが書かれていて、
「毎週予約録画していて、時間になっても始まらず、Blu-rayデッキの番組表(EPG)見たらコナンが消滅していて驚いたが、始まる寸前に(コナンがEPGの表に)出ていてその時間になったら録画が始まったので良かった」
というのもある。
つまり、EPGから消されたコナンが自宅のレコーダーのEPGにいつ復活表示されたかで、自動録画ができたかどうかの明暗が分かれた。EPGは自動で随時更新されるが、電波状況や検索のアルゴリズム、レコーダーの状態などによって表示されるタイミングが異なったりする。
(リンク)
NHKアニメワールド公式HP