東京・秋葉原で行われたエロゲ(アダルトゲーム)新作発売イベント。「日本一奇麗な行列ができている」と涙を流す人も現れた。懐かしくて心が震える、というのだ。

かつてアニメ、ゲームの街、オタクの街と呼ばれた秋葉原。新作ゲームの発売日には店に長い行列ができた。エロゲ愛好者の列は20年以上前から、他の行列とは一線を画している。

「行列がまた見れた、感慨深い」

パソコンショップアークが公式Twitterで12月23日、こんなツイートを行った。

「ちなみに弊社の壁沿いに長い行列が出来ておりますが、通運会館2Fにて開かれております『みるくふぁくとりー』様のイベントの列となっております! アーク店舗の列ではございませんので、ご来店の際はご注意ください」

そして、

「秋葉原でこういうオフイベでの行列がまた見られたと思うと感慨深いですね」

写真の行列は、なんとも奇麗に整然と長く繋がっていた。何の行列かといえば、みるくふぁくとりーの新作ゲーム「もっと!孕ませ!炎のおっぱい異世界おっぱいメイド学園!」発売記念イベント。サイン会や抽選会、グッズ販売が行われた。そこに参加する人たちが長い行列を作ったのだ。ツイートにある「感慨深い」は、秋葉原はもうオタクの街ではなくなっているから。かつては新作ゲームの発売、イベントではオタクの長い行列ができ、それがニュースにもなった。ところが2008年6月8日に起きた通り魔殺傷事件あたりから歩行者天国など様々な規制が強化され、だんだんとオタクの集まる街では無くなっていった。サブカルの中心の一つ、「ソフマップ」秋葉原本館が2017年5月31日で閉店。今ではイベントや新作ゲームを買い求める行列はとんと見なくなった。そしてこの写真。これを見て感慨深くなるのはそれだけではない。エロゲ衰退のなか、いまだ頑張って支えているオタクが存在していたことだ。

「CLANNAD出たときもこんな感じ」

日本では商業エロゲブームがあり、そのピークは2000年初頭。500億円を超える市場で、年間500本以上の新作が発売された。それから衰退が始まった。近年の市場はピーク時の80%以上ダウン、作品数も年間200本を下回るものとなった。理由は諸説あるが、事実としては作画やストーリー、技術的に進歩の無い作品が増え、飽きられたことだ。そんな現代においてのエロゲイベント長蛇の列。驚きであり、懐かしく、嬉しくなったと涙する人も現れた。それだけではない。エロゲ関連の行列には特徴があった。それは整然と並ぶこと。エロゲ愛好家としてのプライド、背徳感、その背徳感から来る行列者たち(仲間)との一体感、新作の内容への期待感、そして、周りから見られていることへの緊張感、そのもろもろが行列を「神聖化」させる。それがこの写真から伝わってくる。「なにもかもが懐かしい」。掲示板には、

「20年くらい前は普通にあった あの頃はエロゲやってない奴はオタじゃなかった」

「CLANNAD出たときもこんな感じだったなぁ 懐かしいわ」

「天使に見える」

「ほんとに綺麗な列だな」

「エロゲオタの民度を示したな」

などといったことが書き込まれた。

 

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(リンク)

パソコンショップアーク公式Twitter「感慨深いですね」

https://twitter.com/ark_akiba/

status/1606126745706381313

みるくふぁくとりー公式Twitter

https://twitter.com/milkfactory_