喫茶店の店主がネット媒体の取材を受けた際の「告白」ツイートが話題になっている。記者は店内を紹介する写真と店が提供しているコーヒーとケーキの写真を撮影したのだが、そのコーヒーやケーキに手を付けず、しかもお金を払わないで帰って行った。
後日出来上がった記事を見たら、食べていないはずのケーキの味の感想が出ていた。ネットの一部では「エア食レポw」「無銭飲食だから通報すべき」という意見も出ているのだが、、、
店のケーキを食べてないのに「食レポ」が掲載される不思議
話題のツイートは東京の神保町にある「眞踏(マフミ)珈琲店」。コーヒーを飲みながら読書ができる「ブックカフェ」で、オープン5年目を迎える店だ。その店が2020年11月13日、東京のグルメやショッピングなどの情報サイト「レッツエンジョイ東京」が取材に来た時のことをこうツイートした。
「レッツエンジョイ東京様に掲載していただきましたが、取材の方は珈琲も飲まず、ケーキも食べず、お支払いもせずという最大コンボを決めてお帰りになりました」
そして、掲載された文章を確認したところ、出したケーキを食べていないにも関わらず、
「ヨーグルトの程よい酸味がやみつきになる逸品です♪」
という感想が付いていた、というのだ。
NNJニュースが「レッツエンジョイ東京」の当該記事を見てみると、確かにそう書かれていた。
ここの店は過去の別の取材でもおかしなことがあった、とし、ライターの半数近くが時間に遅れてやってきた、某日本テレビなどは「必ず二日以内に連絡いたします」と言い1年半が過ぎた、「広告にもなりますよ」と言ってくる、「校正はさせない」もある。そのため2018年に「取材をする方への心得」を書いているが、今回の事で、
「新たに『味について書くときは、必ず食べよう(飲もう) 』ものせた方がよろしいでしょうか」
と問いかけた。
作らせるだけつくらせて無銭飲食、取材ってそんなに偉いの?
これについてネットでは、
「取材陣は天狗w」
「支払いもせず帰るとか食い逃げじゃん 犯罪だろ」
「エア食レポw」
「バイト先でも似たような事があった。作らせるだけつくらせて無銭飲食して帰るっていうね。取材の人ってそんなに偉いのかしら」
などといった批判が起き、
「メディアの方々、舐めていると痛い目見ますよ。マスターの眞踏さん自体がものすごい方なのですから」
などといったこともツイッターで呟かれた。
一方で首をひねる人もいて、
「宣伝してもらって何言っとんのコイツ。逆に広告料払えよ」
「何も買わない飲まない方がむしろ礼儀正しいと思うけど」
「自分で食べなくても『ヨーグルトの程よい酸味がやみつきになる逸品なんです』と店主や別の客から聞いたならそれを書いてもよいのでは」
ということも掲示板に書かれている。
取材を受け入れた以上は、来た記者は一般客とは違う「お客」
実際のところはどうなのか。NNJニュースが今回の件について11月14日、記者経験者に話を聞いたところ、一般的な話として、
「今回の場合は写真撮影がメインと思われますので、あらかじめお勧めのコーヒーやケーキを店に用意していただく形になります。撮影しているうちにコーヒーは冷めてしまい、ケーキもライティングの影響で温度、時間などで『変化』してしまうため、それを食しての正しいレポは無理です」
という。
食べていないケーキの感想を文章にしたことは、
「グルメリポートではなく、一行足らずの文章のため、食べて味わってしまったら纏めるのがしんどくなりますので、店主の話やお客の評判で書くほうがいいと思います」
代金の支払いについては、
「これも企画や商品によってさまざまで、前もって『取材代』を要求する店もあります。飛び込み取材の場合は飲食代を支払うのが普通ですが、企画を通してからの取材になると『飲食代は?』と聞けば怒り出す店主もいます。店によっても様々ですが、一般的には取材を受け入れた以上は、来た記者を一般客とは違う『お客』だと考えるようです」
ただし、店と事前に打ち合わせをした記者と、実際に現場に行った記者が別の場合は、「店主がコーヒー代とケーキ代を要求している」といった事柄がキチンと伝達されているか、という報道関係会社内部の問題もあって、なかなか一般論では語れない話ではあるという。
(リンク)
眞踏珈琲店公式HP
http://coffeemafumi.html.xdomain.jp/
情報サイト「レッツエンジョイ東京」