【ボクシング】ベルトを返上「やっぱり中谷から逃げやがった！」　井岡一翔選手が日本で6月フランコ選手と再戦

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔選手（33＝志成）が王座を返上し、昨年大晦日に統一戦で対戦、ドローとなったWBA同級王者ジョシュア・フランコ選手（27＝米国）と再戦することになった。米ボクシング専門サイト「Boxing Scene」が2月14日に報じた。日本国内で「やっぱり逃げやがった！」「恥ずかしすぎる」などといった声が挙がった。

WBOは前WBO世界フライ級王者の中谷潤人選手（25＝M・T）を指名していた。

無冠・井岡選手との対戦メリットは？

「Boxing Scene」によれば、フランコ選手との試合は6月に日本で行われる。もともとのスケジュールとしては、昨年の大晦日で勝利した統一王者と、中谷選手が対戦することになっていた。1-0のドロー判定となったため、WBOは井岡選手のタイトルマッチに同級1位の中谷選手を指名した。しかし、交渉期限内に両陣営の合意には至らず。WBOは2月13日、興行権の入札を2月23日に行うと発表。最低入札額は10万ドル（約1320万円）だった。この時、井岡選手の選択は2つあった。中谷選手とタイトルマッチを行うこと。そして王者を返上し対戦を無くすこと。返上について井岡選手は、

「優先的に（エストラーダ戦実現が）可能であるならば（王座返上は）ゼロではない」(日刊スポーツ1月1日付)

と語っていた。WBC世界同級王者フアン・フランシスコ・エストラーダ選手（32＝メキシコ）とのタイトルマッチを希望したわけだ。ただし、無冠の井岡選手と対戦するメリットがエストラーダ選手にあるのか。そもそもエストラーダ選手は井上選手より格上とされてきた。中谷選手と闘わない口実とも言われた。

中谷選手との対戦は注目度が低い？

「Boxing Scene」は井岡選手とランコ選手の再戦を歓迎した。井岡選手と中谷選手は「ほとんど注目されない試合だった」という。井岡選手が王者を返上したことは、

「WBOの本部での興行権入札前にフランコ選手との再戦を確実にした」

と書いた。理屈としては、王者を返還した井岡選手がフランコ選手と闘った方が注目されるし、ファイトマネーも高い。盛り上がる、という見方のようだ。ただしそれはアメリカ側の解釈に過ぎない。日本国内では井岡選手と中谷選手の闘いに大きな関心があった。

中谷選手は井上尚弥チャンプ(29)に続く「ネクストモンスター」。プロボクシング24戦24勝（18KO）無敗。下馬評としては井上選手を上回る実力。将来への期待が大きかった。井岡選手は4階級制覇の玄人好みのボクサー、とされるが、一般のボクシングファンの人気はというとそうでもない。亀田兄弟と同じTBSのお抱えファイター、チキンな選手、安全運転の面白みのないスタイル、との評判があった。