幼稚園へ提出する書類に子供の血液型を書く欄がありましたが、子供の血液型が分かりませんーーーそんな相談が読売新聞の人生相談掲示板「発言小町」に寄せられた。自分の子供の血液型を知らない親が増えているのだという。
血液型と言えば輸血をする際など「命に係わる」という認識なはずなのだが、実は、知らなくても特に問題はなく、そのため血液型を調べる検査は保険が適用されず「実費」なのだそうだ。
「事故など緊急事態の際に困るのかなと心配です」
「発言小町」への質問は2020年11月2日に掲載され、母親と思われる人は、
「(子供の血液型を)こんなに知らないまま時間が経過すると思っていませんでした。事故など緊急事態の際に、困るのかな?とちょっと心配です」
としていた。回答欄には、
「血液型はいつかわかるので特に気にしていませんでした。下の娘はいま20歳ですが、中3で盲腸の手術をしたときに判明」
という回答がある。別の掲示板でも、
「5歳娘の血液型知らない」
「うちも子供の血液型知らない。前に血液検査したとき聞いたけど、知る必要ないから調べませんって言われたよ」
などといったコメントが付いている。これはどうしてなのだろうか。
読売新聞の女性サイト「大手小町」に、「雑司が谷 赤ちゃん・こどもクリニック」の青柳裕之院長による「発言小町」の質問への回答が27日に掲載された。
「医学的には血液型を知っておく必要がないんです」
それによるとかつて血液型は、赤ちゃんが生まれるとすぐに教えてもらえた。現在は、1歳になるまで正確な血液型を知ることはできないというのが前提で、「新生児の血液型検査は行いません」とはっきり断っている産科が増えているという。しかも、幼稚園や学校などの提出書類に「血液型不明」と書いて何の問題も無い。しかも、
「血液型を知らなくて困るのは、血液型占いをするときくらいです」
という。大人の実生活でも知らなくてもいいようなのだ。というのも、血液型が必要になるのは輸血をする時であり、その際に血液型の申告や書類があっても意味はなく、「血液型の検査を必ず行ってから輸血する」ためだという。
ほかの病院や専門医の説明をネットでチェックしても同じことが書かれていて、「医学的には血液型を知っておく必要がない」。そのため血液型の検査は保険が適応されず自費で検査することになる。無料で知りたい場合は献血ができる18歳になった時に献血に行けば調べてくれる、という。ネット上では、
「看護師だけど、輸血とかオペ前とかはしっかり調べるから、血液型に興味がある人以外は調べなくていいんじゃないかな」
「病院でもわざわざ血液型を調べるために採血はしなくていいって言われるよ」
などといったコメントが出ている。
(リンク)
発言小町
https://komachi.yomiuri.co.jp/
「血液型について」日本赤十字社 兵庫県赤十字血液センター
https://www.bs.jrc.or.jp/kk/hyogo/donation/m2_02_01_00_bloodtype.html