ユニセフ(国連児童基金)が先進・新興国38カ国に住む子供の幸福度を調査したところ、日本の子供は「精神的な幸福度」が37位と最低レベルだった。生活満足度の低さや自殺率の高さが原因だという。新聞やテレビは日本の子供たちの「不幸」ぶりを大々的に報じたが、ネット上ではそれに反発が起きている。実は、「身体的健康」では世界一位。「幸福感」というのは各々の感じ方であり、「世界一健康で、安全な社会なら、それが子供にとって一番幸せなこと」という意見が出ているのだ。

 

日本の社会の闇(病み)を顕著に表してるんじゃないかな…

 

ユニセフが2020年9月3日に発表した子供の幸福度調査は「精神的な幸福度」「身体的健康」「学力・社会的スキル」の3分野で指標化している。日本の子供の「精神的な幸福度」は38カ国中37位と最低レベル。1位はオランダ、2位はキプロス、3位はスペイン。アメリカは32位、韓国は34位、38位はニュージーランドだった。日本のメディアはこれについて、

「日本の子ども、幸福度が最低水準」

と、大々的に報じた。

この「精神的な幸福度」とは何かについて、ユニセフは、精神疾患のだけでなく、より広い前向きな感覚があるのか、幸せを感じるか、人生の満足感、また、家庭は安全か、学校でイジメはないか、自殺率は、などを指標化したと説明している。

 

この結果についてネット上には、

「本当に、つまらない国になりましたよね。無邪気に遊んでいる子供達を街では見ないし」

「これは、子供の問題と言うより、日本の社会の闇(病み)を顕著に表してるんじゃないかな…」

などといったネガティブな書き込みが並ぶ一方で、

「決まってんじゃん幸福の基準が高いから、なにかひとつ不満があると不幸だと思う」

といった反応もあった。

 

そうした中で起きたのが、最低ランクをクローズアップし続けるメディアへの批判だ。実は、「身体的健康」分野では世界一位だったからだ。そのため、

「日本の子供より幸せな奴らがこの世に存在するのかよ」

といった極論も飛び出した。

 

健康、治安面は世界一で子供にとって一番大事な事

 

実は、子供の幸福度の総合ランキングで、日本は38カ国中20位でありほぼ中間の位置だ。「学力・社会的スキル」は27位。それでは1位となった「身体的健康」は何から算出したのかといえば、まずは子供の死亡率である。

「子供の死亡率は国民所得と最も密接に関連する」

とレポートは述べている。

つまり日本は国民所得が高いため子供に十分な医療を施すことができ、国力によって医療機関の充実と高度な医療を可能にしているということだ。

 

続けて「肥満」を挙げている。肥満は糖尿病、心血管疾患、高血圧、がん、など「短命」になる要因としている。さらに裕福な国では、若者の5人に2人以上が自分のボディイメージに不満を持っていて、その不満からメンタルがおかしくなり「恥」、「不安」、「抑うつ」、「孤立」が生まれるとした。

どうして子供が肥満になるかといえば、家庭や社会で「食糧の不十分な規制」ができていないから。また、コマーシャル(CM)などで食欲を過剰に煽るものがあるからなのだという。日本はこれらが他国よりも抜きん出て規制や管理がされているということだ。

 

ネット上で子供にとって一番大切なのは健康であり、本来ならば「身体的健康」分野こそが最も評価すべきものだという声が挙がっていて、

「今回のデータの中で健康、治安面は世界一になっている。この2つが世界一というのは子供にとって一番大事な事」

「身体的健康が1位の意味は精神的にも安定するはず。健康状態を保つことが出来ないのに幸福なはずはない」

「身体的健康が1位でよかったじゃん。元気があれば何でもできる!って猪木が言ってたもん」

などといった意見が掲示板に出ている。

(リンク)

ユニセフ(国連児童基金)公式HP

https://www.unicef.org/