「取り壊して終わりだろ」―――そんな悲鳴がネットで上がった。朝日新聞が2020年12月18日に配信した「狭くなった東京の空 回り続けて半世紀、レストランに幕」という記事だ。

内容は有楽町駅前の東京交通会館15階・回転展望レストランの「銀座スカイラウンジ」が12月30日で「幕を閉じる」というもの。リニューアルの文字がないため、素直に読めば「廃業」もしくは「回転展望レストラン」が無くなる、となる。

 

「長い間、運営に携われた皆様、本当にお疲れ様でした」

 

この記事はヤフーニュースにも掲載され、18日夕にはアクセスランキングの1位になった。それだけ回転展望レストラン「銀座スカイラウンジ」が無くなるというのはインパクトがあったようだ。

「レストランに幕」という見出しが付いた記事の概要は、東日本大震災直後の節電時を除き55年間、回り続けてきたが「30日で停止する」。開店当時は銀座で一番高いビルだった、とし、62歳の元都庁職員がこのレストランの思い出を語る、という流れだ。そして都内の回転レストランはこの「銀座スカイラウンジ」を残すのみ、と書いている。

 

実は、「銀座スカイラウンジ」は12月30日まで営業し、老朽化のため改装を行い、来年21年夏にリニューアルオープンする。それがこの記事には何も書かれていないため、ヤフコメには、

「長い間、運営に携われた皆様、本当にお疲れ様でした」

「なくなるって聞いて今泣きそうです」

「取り壊して終わりだろ」

「思い出の場所が無くなってしまうのは寂しいものですよね。コロナじゃなかったから、最後にもう一度行ってみたかったのに残念です」

といったことが書き込まれた。

 

「本日多くのお客様から予約や問い合わせが寄せられています」

 

一方で、

「いやこれ誤解を生むでしょ。回転を止めるだけでレストラン自体の営業は続けるのに、レストランに幕なんて言葉使ったら閉店と思われる」

「たぶんリニューアル後はもう回転しないということでは」

「回転しなくてもいいからレストランは継続してほしい!」

といったコメントも出て、閉店するのか、それとも閉店はしないが「回転展望レストラン」ではなくなってしまうのか、どうなのか、混乱した。

 

NNJニュースが18日夕に「銀座スカイラウンジ」を運営する東京會舘に取材したところ、同社広報は、

「閉店ではなくリニューアルです。それは予め告知しております。本日多くのお客様から予約や問い合わせが寄せられていますが、閉店だと思われている方もおいでになるかもしれませんね」

と話した。リニューアル後は「回転展望レストラン」では無くなるのかについては、

「あくまで老朽化の問題ですが、回転を止めるかどうかはまだ微妙な段階です」

ということだった。つまりはリニューアルを進める中で、回転を続けて行けるかどうかの判断が下される、ということのようだ。

(リンク)

東京交通会館HP

https://www.kotsukaikan.co.jp/

銀座スカイラウンジHP

https://www.kaikan.co.jp/branch/skylounge/