東京オリンピック・パラリンピックの期間中に行われるパブリックビューイング(PV)イベント。メイン会場の一つ代々木公園は1日の来場者3万5千人を見込み、飲食、物販販売も行われる計画だった。これについて「感染拡大を招く」「密を奨励しているようなもの」といった激しい批判、開催反対が出た。

小池百合子都知事(68)は2021年6月1日に行われた記者会見で「代々木公園をワクチン接種会場にする」と発表。メディアは開催への批判が多いことと、感染拡大防止のため「中止した」という内容の報道をしたが、「中止理由は批判とは全く関係が無い」と都の担当者は話した。さらにパラリンピックのPVは実施する予定なのだという。

ワクチン大規模接種会場は代々木公園が最適です

東京都オリンピック・パラリンピック準備局にNNJニュースが6月4日に取材したところ、同準備局の担当者はこう語った。東京都は現在ワクチンの大規模接種を行っていて、8日からは中央区の築地市場跡地が接種会場になる。しかし同場所は五輪の車両基地となり30日で閉鎖。築地で接種する約11万人が2回目の接種を受けるための場所を探さなければならなかった。

「コロナ対策のワクチン接種は都の重要課題。色々なご意見があるのは承知していますが、それによって代々木公園に決まった、ということは全くありません。あくまで立地、交通の便、キャパ、そして代々木公園内に設置されるユニットハウス(ブース)が接種会場に転用できるということなんです」

と打ち明けた。代々木公園内での接種開始日時はまだ決定していないが、オリンピック開催日の7月23日を過ぎても終了しないはずだから「PVは中止にするしかないよね」という結論になったのだという。

会場のモニターやブースはレンタルで終了後に返却

一方でパラリンピック前にワクチン接種は終了している可能性がある。

「状況を見てパラリンピックのPVは行う予定になっています」

ということだった。PV会場に設置される大型モニターやユニットハウスはレンタルのため、パラリンピック終了後は返却し更地にするのだという。

確かに都内のPV会場はメインの「井の頭恩賜公園」や「日比谷公園」「上野恩賜公園」「東京都立大学南大沢キャンパス」「調布駅前広場」など複数あり、代々木公園だけ感染拡大予防や、批判や反対を受けた影響で中止、というのも妙な話だ。

小池都知事は4日の記者会見で、PVを行うことによる感染の拡大について記者から質問され、

「代々木公園はワクチン接種会場にしますが、他の会場については蜜を避けるための事前予約などが必要と思っていて、今はオリンピック組織委員会がPV開催に関するガイドラインを策定中ですので、それに沿って都は動いていきます」

と語っていた。

 

(リンク)

小池都知事記者会見(2021年6月4日)

https://www.youtube.com/watch?v=xVwTQ14FE10

 

東京都オリンピック・パラリンピック準備局(PVについて)

https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/special/enjoy/ls-pv/#table-publicviewing