国際オリンピック委員会(IOC)は2021年11月21日、トーマス・バッハ会長(67)と中国の女子プロテニス、彭帥選手(35)がテレビ電話で会話する写真を公開した。彭帥選手は張高麗・前筆頭副首相(75)からの性暴力を告発したあと消息が分からなくなっていた。カナダのIOCディック・パウンド委員 (79)は彭帥選手の対処次第で、2022年北京冬季五輪開催に「強硬な態度を取る可能性」を示唆したことが報じられていた。ところがこの写真と説明を公開したことで、IOCとバッハ会長への不信を膨らませることになり、激しい批判が起きることになった。
北京で来年1月に彭帥選手を夕食に招待
IOCの公式HPによれば、バッハ会長と彭帥選手のテレビ電話による会談は、李玲蔚IOC委員(中国)とエマ・テルホ選手委員長(フィンランド)も参加し約30分行われた。彭帥選手は北京の自宅に住んでいて、安全で元気だと語った。ただし、プライバシーを尊重したいため、暫くは家族や友人と一緒に過ごすという。そしてこれからも彭帥選手は愛するテニスに関わり続けると説明した。エマ委員長のコメントも載っていて、
「私たちの主な関心事は彼女の消息だったが、元気で、そしてリラックスしているように見え、安心した。そして彼女は私たちに本当に感謝をしてる。私たちは彼女をサポートし、彼女の都合の良いときにいつでも連絡を取り合う関係になりました」
とした。バッハ会長は来年1月に北京で、彭帥選手を夕食に招待するそうだ。そこにはエマ委員長と李玲蔚委員も同席する。とてもいい話なのだが、彭帥選手をよく知る李玲蔚委員のコメントがない。そもそも一番血眼で探していたのは女子テニス協会(WTA)。中国に対し彭帥選手の扱い如何では、中国での試合開催から撤退する覚悟を見せていた。そうした中で中国が選んだのはIOCのバッハ会長だった。
「バッハもグルかwwこれがオリンピックの正体」
ロイター日本語版は22日、IOCの発表に対するWTAの見解を報道。
「彼女の性的暴行疑惑について検閲なしに完全かつ公正で透明な調査を行うという、われわれの要求が変わることはない。それがそもそもの懸念だ」
つまり、IOCが出した写真や説明では納得できない、ということだ。ネット上でも彭帥選手が無事で安全に生活していることを信じた人は殆どいない。むしろ、いきなり出てきたIOC、そしてバッハ会長。それに対する不信感が膨張したのだ。というのも、IOCが彭帥選手の件で動いているとの情報は無かった。声明を出しているWTAは無視。また、バッハ会長に彭帥選手か、そっくりさんかの見分けは付くのか。テレビ電話なのになぜ動画を公表しないのか。彭帥選手の消息が途絶えた理由を聞かなかったのはなぜか。彭帥選手の背景が撮影セットのようだ、といった疑問が多数出て、
「金の亡者バッハwチャイナマネーで何でも言うよ」
「IOCは中国の犬」
「IOCにとっては人権より金権でしょうね」
「バッハもグルかwwこれがオリンピックの正体」
などといったことが掲示板に書き込まれている。
(リンク)
IOC公式HP
「IOC President and IOC Athletes’ Commission Chair hold video call with Peng Shuai」
https://olympics.com/ioc/news/ioc-president-and-ioc-a
thletes-commission-chair-hold-video-call-with-peng-shuai
ロイター
「IOCとの通話で「懸念解消されず」、中国女子選手巡りWTA」