朝日新聞が、「働く人の3割が、経済的理由で勤務日にランチ(昼食)を抜いている」と報じた。今後さらに増える可能性を示唆したことで、「そこまで困窮してないわw」「アホみたいなプロパガンダ記事書いてんじゃねえよ」などとネット上で物議を呼んだ。
実は朝日新聞の元ネタは、福利厚生食事補助サービス会社の調査。節約のために簡素なランチや欠食する人もいるため、企業は従業員に対し食事の福利厚生を導入すべき、という自社PRのようなものだった。
700円弁当をやめ100円おにぎりを選んだ
問題となった記事は2022年3月30日配信の「『働く人の3割、勤務日にランチ抜き』の経験 食品値上げでさらに…」というもの。節約を理由にランチを抜いていて、食材の相次ぐ値上げでますます抜く人が増える可能性も、となっている。元ネタは福利厚生食事補助サービス会社・エデンレッドジャパンの調査。2021年12月に全国の20~50代の働く男女600人に聞いたもの。勤務日にランチを食べなかった経験者は29.5%。うち56.5%は「週に1回以下」。28.2%は「週に2~3回」。残りの15.3%は週に4日以上ランチを食べていない。最も悲惨だったランチは「めんたいこだけ」「水とお菓子」。雑貨店で働く30代女性の例として、コンビニの700円弁当にしたかったが、一番安い「梅」おにぎり1個100円を選んだ。
「特に給料日前は貯金が少なく、何も食べないことも多いという」
と書いた。エデンレッドジャパン広報のコメントもあり、
「食材費の高騰が家計を圧迫し、節約としてランチをとらない動きが広がっている可能性がある」
となっている。この記事にネットで異論が噴出した。
「金銭的な問題か?それ」
まず、昼食を取らなかった経験など誰にでもあるはずだ、というもの。それは金欠や物価の値上がりとは関係なく、単に忙しかったり、食べたくなかったり、ダイエット中など。そもそも金欠でも昼食を取らないといけない職種などは、家から手作りおにぎりなどを持っていく。また、朝食と昼食の間隔が短いことを理由に昼食を取らない人もいる。ネットでは、
「金銭的な問題か?それ」
「節約のためランチ抜きの人なんて周りに1人もいないんだけど」
「おにぎり2つ毎日自分で作って行ってる 嫁さんから昼代500円もらっているけど貯金している」
といったことが掲示板に書き込まれた。また、日本人は貧しくなったことを強調するためのプロパガンダ記事なのではないか、と疑う人もいる。エデンレッドジャパンの調査を見ると、全体的には「食べたいメニューが食べられない」「健康的ランチが取れていない」というのもの。狙いとしては「昼食をしっかり取りましょう」という訴えかけであり、そのためには同社の事業である食事に関する福利厚生を導入しましょう、という誘いだ。ネットには、
「食事補助サービス会社の調査だからねー」
との指摘も出ている。また、この記事について議論していた人からは、
「朝日新聞じゃねえかよ 書き込んで損した」
といった嘆きもあった。なお、この朝日新聞の記事のタイトルは当初「働く人の15%は『週の半分、ランチ抜き』節約のため我慢」となっていて、後に先のタイトルに訂正した。
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想像で記事を書いた朝日新聞元記者のTwitterが炎上中。玉木雄一郎代表「直接取材してください!」
(リンク)
朝日新聞「『働く人の3割、勤務日にランチ抜き』の経験 食品値上げでさらに…」
https://www.asahi.com/articles/ASQ3X4VSGQ3JULEI001.html?iref=com_biztop_gold_list_n
エデンレッドジャパン「全国のビジネスパーソンに聞いた『ビジネスパーソンのランチ実態調査』」