JR東日本の恵比寿駅が、ロシア語の案内表示を紙で覆い隠した問題で、同社の深谷光浩東京支社長が2022年4月19日の定例記者懇談会で謝罪した。 

今回の問題、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに「ロシア語を見るのは不快だ」とのクレームが複数の利用者からあった。それで紙をかぶせて見えないようにした。今度はロシア語を隠すのは「差別だ」、というクレームが来たから元に戻した。最終的にサービス業として「不快」より「差別」のクレームに落ち着いたわけだが、ネット上では「どんなクレームも受け入れてしまい支離滅裂になった例」などといった笑いも起きている。  

ロシア語は「不快」か?「人権」か?の謎 

 今回騒動になった恵比寿駅にある外国語表示は、英語、韓国語、ロシアの3か国語がある。乗り入れている東京メトロ日比谷線の「中目黒」「六本木」駅に誘導するためのもの。恵比寿駅改札口の外側に紙で大きく表示している。東京五輪・パラリンピックの海外客へのサービスで設置した経緯がある。利用者が少ないと思われるロシア語の表示だが、周辺に駐日ロシア大使館があるため。なぜオリ・パラが終了し、コロナ禍で外国人客が減っても撤去しなかったのかは謎だ。そんな中、ウクライナにロシアが侵攻すると、複数の利用客から「ロシア語は不快だ」とのクレームが入った。 

いっそのこと外国語表示を全部撤去すればよかったのに、ロシア語の案内だけに紙をかぶせ「調整中」とした。それが4月7日頃だ。ロシア語の表示だけが隠れたことがニュースになると、今度は「差別だ」といったクレームが入ることになる。それで恵比寿駅は15日始発からロシア語案内を「復活」させる。そして今度は、「何がしたいのか支離滅裂だ!」といった別のクレームが出ることになってしまった。運営の方針や意志が感じられず、クレームが来たから骨髄反射で反応、それを受け入れた。また別のクレームが来たらそれに流されるのだろう。まるでクレームを入れもの勝ちの展開、クレームの「奴隷」のようだ。  

「また『不快』のクレーム来たらどうするの?」

 JR東日本の深谷東京支社長は4月19日の定例記者懇談会で、 ロシア語の表示を「復活」させたとし、

「差別との誤解を招く行為であり不適切だった。深くおわびしたい」 

と謝罪した。こうした支離滅裂な展開。そのため記者からこんな質問が出た。 

「また『不快だ』とのクレームが来たらどうするのか?」 

深谷支社長は、 

「ロシア大使館が近くにあり案内表示を必要とする人がいることや、侵攻を支持する意図はないことなどを説明する」 

とした。ネット上では今回の騒動について、この支社長の謝罪や説明も的を射ていない、何か変だ、という感想を持つ人も多い。 

「誤解を与えてって表現、一番卑怯な謝罪よなぁ」 

「自分の愚かさに気づいてるのかどうかはわかりませんが…クレーマーは無視に限ります」 

「よし、今度は何で戻したんだ、不快だというクレームを倍入れれば解決」 

「なんで日本はこんなごく少数のクレーマーの意見には真髄に耳を傾けるんだろうね?それなら逆に、クレーマーのいう事を聞くなってクレーム入れてやればいいかな、今回も多分そういう感じだし」 

などといったことが掲示板に書き込まれている。 

 

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