法務省の審議会は戸籍の氏名に読み仮名を付ける戸籍法改正の中間試案を2022年5月17日にまとめた。それによれば奇抜な名前の総称「キラキラネーム」(ネットスラングでは「DQNネーム」)をどこまで認めるかに触れ、「光宙」を「ピカチュウ」と読ませることを容認するとした。 

これに対しネットで異論が噴出。「DQNネーム」で困っている子供たち、また、それに付き合わなければいけない周りの人たちにどれほど迷惑をかけたいのか、という反発だ。ネットでは「なぜ容認するんだ バカ親の表現の自由は尊重するくせに、子供の人権は尊重しないのはなぜ?」との疑問も出ている。 

「山田太郎」を「ドカベン」読みは保留 

 中間試案によれば、読み仮名表記は平仮名と片仮名の両案を提示。「光宙」は「ピカチュウ」、「騎士」を「ナイト」、「陽葵」を「ひまり」などが広く認められる。人気野球漫画の主人公「山田太郎」を「ドカベン」と表記できるかは保留となった。一方、字の意味と関連のないものは認められず、先の「山田太郎」を「てつわんあとむ」としたり、「高」を「ひくし」とするのは無効とした。 

ネットでは「光宙」が「ピカチュウ」と認められたことに対し、「都市伝説レベルだ!」と異論が噴出。「DQNネーム」で困っている子供たちや、それに付き合わなければいけない周りの人たちを政府は意図的に増やしたいのか、という激しい批判が起きた。 

「王子様」と付けられた子供の苦悩 

 「DQNネーム」で困っている子供として有名だったのが山梨県の赤池肇(はじめ)さん。元の名前は「王子様」だった。手紙などは「赤池王子様 様」で届いた。母親が「私にとっての王子様」という意味で名付け、父親の知らないうちに出生届が出された。赤池さんは「自分の名前は人名じゃなくて役職名」。小さい頃は可愛いかもしれないが「大人になってからも同じ名前だと悲惨」と感じた。この名前によってイジメを受けたことはなかったが、本名かどうか何度も聞き返された。高校に入学し自己紹介のとき、一人の女子生徒が噴き出し、その笑いが止まらなかった。改名を考えた。母親は反対したが、2019年3月の高校卒業前に一人で家庭裁判所を訪れ「肇」に変えた。父親も「おめでとう」と言ってくれた。赤池さんはTwitterで改名したことを報告し、 

「キラキラネームの十字架を背負った同士のみんなも希望を捨てないでくれ」 

と呼び掛けた。こうした経緯は読売新聞など複数のメディアが報じている。 

「キラキラネームは一種の虐待」 

 「ピカチュウ」といえばポケモンのキャラしか思い浮かばない。世界的大人気であり確かに愛らしいけれども、「山田太郎」といった人間のキャラの名前ですらない。今回の中間報告では「ピカチュウ」と付けることを政府がお墨付きを与えたことになり、先の赤池さんのように苦しむ子供が増えてしまうことにもなりかねない。ネットでは、

キラキラネームは一種の虐待」  

「大人になって(子供でも嫌だけど)山田ピカチュウと言います、って自己紹介するの?ハズっ!!」 

「明らかに商標登録されてるものはダメにしないとさー」 

「 TVで紹介される時に社長の〇〇ピカチュウさんです。視聴者の笑い声が聞こえてくるわ」 

などといったことが掲示板に書き込まれている。 

 

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(リンク) 

法務省「戸籍法の一部を改正する法律について」 

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html