東京オリ・パラ開閉会式演出の佐々木宏総合統括(67)が芸人の渡辺直美さん(33)を「ブタ」演出提案したとして批判され辞任した問題で、浮かび上がったのが、演出の「執行責任者」だった振付師のMIKIKOさん(44)はなぜ辞任し、佐々木氏がトップに立ったのか、ということだった。MIKIKOさんは2021年2月26日、自身のTwitterで告白した。自ら辞任したのではなく、意図的に電通側から排除されていたのだ。

 

「その中には渡辺直美さんもいらっしゃいました」

 

これは「週刊文春」(2021年4月1日号)「『森会長はボケてる』女性演出家を排除 黒幕は電通No.2」の記事が発端となった。組織委員会はMIKIKOさんの「辞任」についてこれまで、

「状況が変化していく中で、MIKIKOさんがそのようにお感じになったということではないか」

「引き続きやっていくとことに納得をされない何かがあったのではないか」

とし、あくまでサイコロはMIKIKOさんにあった、という説明だった。

 

MIKIKOさんは26日、自身のTwitterでこう告白した(本文から抜粋)。

「私はオリンピック開閉会式の執行責任者として、500名近くのスタッフ、キャスト、更にその先にいらっしゃる直接お会いすることは出来なかった数多くの関係者の方々の才能と時間をお預かりしておりました。その中には渡辺直美さんもいらっしゃいました」

「(開閉会式準備)再開の際は連絡をいただけるとのことでした。延期から約6ヶ月後の去年の10月、今後について皆様に何もご連絡できていない中で、これ以上お待たせするわけにはいかないと思い悩み、勇気を出して私から電通に問い合わせを入れました」

「その際、すでに別の演出家がアサインされ、新しい企画をIOCにプレゼン済みだということを知りました」

 

疑問を持ちながら参加するわけにはいかない

 

「11月になって新しい企画、新しい演出家のもとで改めてオファーを頂きましたが、その企画に一から関わっていない以上、責任が取れるものではありませんでした。形は変わったとしても従前の制作物で活かせる部分は有効活用すべきだと考えておりました。また、これまでの企画案に尽力してきていただいた皆様との関係で道義にも反していると感じました」

「このような疑問を持ちながら参加するわけにはいかない、と悩み抜いた上で辞任の決断に至りました」

 

つまり、東京オリ・パラ開閉会式は昨年に延期が決まって以降、電通の完全な仕切りで行われ、電通出身の佐々木氏が総合統括に抜擢された。トップを代え、これまでMIKIKOさんらがやってきた開閉会式演出企画を全部白紙にした。それをMIKIKOさんら500人の関係者は知らされておらず、知ったのは「電通に問い合わせた」昨年10月。既に新たな企画が出来ているばかりか、IOCへのプレゼンも終わっていた。11月になりMIKIKOさんに「新しい演出家」から仕事のオファーが来たが、自分が全く関わっていない企画であり、旧企画で一緒に頑張ってきた500人に対する道義がある。そんな疑問を持ちながら参加することはできなかった、というのがMIKIKOさんが明らかにした内容だ。

 

(リンク)

MIKIKOさんの公式Twitter(全文掲載)

https://twitter.com/mikiko_san/status/1375395260512133127