衆議院は2022年3月1日の本会議で、ロシア軍によるウクライナ侵略を非難する決議を採択したが、満場一致とはならず、れいわ新選組の3議員だけが反対した。
山本太郎代表は決議後の記者会見で、「ロシアを批判する形式的な決議では意味はない」とし、多くの時間を割いたのは、欧米のロシアに対する裏切り「NATOの東方拡大」だった。前日、北朝鮮は同じ理由でロシアを擁護している。
侵略を肯定すると誤解されかねない
日本維新の会の足立康史衆議院議員(56)は、この日Twitterで、
「衆院本会議でのロシアによるウクライナ侵略非難決議案の採択に当たって、れいわ新選組の3人が実際に反対してしまいました。侵略を肯定すると誤解されかねない極めて残念な判断」
とtweetした。山本代表は決議後に記者会見し、
「ロシアに批判をしないのか?という間違ったメッセージが出ている」
とした。自分たちは強く非難する立場だ、と語り、5日前の侵攻直後の採決なら賛成したかもしれないが、この時期の決議では「言葉だけ、形式だけの演出」になる。戦争をどう辞めさせるか、人道支援はどうするか、など具体的なものがない。具体的なものとして挙げたのは、ウクライナ難民の受け入れと、ロシアに対する「心配り」だった。
北朝鮮「ロシア侵攻の責任は欧米にある」
山本代表は、
「侵攻したロシアは悪いが、『ロシア悪』のままでは停戦合意はできない。ロシアが何を主張しているのか、その背景はどうなっているのかに、心を配ることが必要だ」
と語った。今回の惨事を生み出した原因の一つは、欧米主要国が「NATOの東方拡大」をしないとのロシアとの約束を反故にしたからだ。そして、旧ソ連のミハイル・ゴルバチョフ氏(90)の時代からのNATOにまつわる歴史をモニターを使って長々と説明した。同じようにロシアの友好国の北朝鮮外務省は2月28日、山本代表と同じ内容の声明を出しロシアの擁護をしている。
「アメリカと西側は、法律的安全保証を求めるロシアの正当な要求を無視した」
というもので、攻撃兵器配備などNATOの拡大を進め、ヨーロッパの安全環境を壊して来た。ロシアのウクライナ侵攻は、
「アメリカと西側の覇権主義に責任がある」
と主張した。
(リンク)
れいわ新選組 山本太郎代表 不定例記者会見(2022年3月1日)